「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、BMW X1(初代)だ。
BMW X1(2010年:初代)
いまや(編集部註:2010年)世界で販売されているBMW車全体の2割が、SAV(スポーツ アクティビティ ビークルの略。BMWはSUVをこう呼ぶ)のXシリーズだという。そんなXシリーズのエントリーモデル、X1が魅力的なプライスタグを付けて日本にやって来た。
X5から始まり、X3、X6とラインアップを揃えてきたBMWのSAVシリーズ。そしてニューカマーでありシリーズ最小モデルとなるX1は、今後の自動車のボディは小さくなる傾向にあるとはいえ、予想を上回るコンパクトサイズだった。SUV(SAV)といえば背が高いクルマが普通なのに、全高は1545mmにおさえられている。この数値は、ほとんどのタワーパーキングに駐車可能であることをウリにしている、セミトールタイプの軽自動車より低い数値だ。
とはいえ、コンパクトといっても全長は4470mmあるし、全幅は1800mmとけっこうワイドだ。室内が狭苦しいなどということはまったくなく、まさにちょうどいいジャストなお手頃サイズといえるだろう。少し高めのコマンドポジションのおかげで乗り降りのおっくうさもなく、しかも駐車場に悩まなくて済むSUVというのは、日本の、とくに市街地ではアドバンテージが高い。