アウディは20年内にPHEV(プラグインハイブリッド車)を12モデルに増やすということを発表し、そのラインナップを着実に増やしつつある。今回はその中からA3、Q3、Q8に設定されたPHEVに試乗する機会を得た。(Motor Magazine2021年3月号より)
ドイツでの売れ行きが好調なPHEVモデル
2021年、欧州で販売する自動車のCO2排出量は、基本的にはすべて1km走行あたり95g以下でなければならない。これはディーゼルエンジン搭載車では100kmあたり3.6L(約27.8km/L)、ガソリン車では4.1L(約24.4km/h)の燃費を達成しなければならないことを意味する。
現状、この数値をクリアするには通常の内燃機関を搭載したクルマではまず不可能に近い。そこで電気の力を借りたMHEVやPHEV(プラグインハイブリッド)、そしてBEVがここ数年で続々と登場している。
ドイツの年の状況を見ると、新車の総販売台数272万台のうち、MHEVは53万台、PHEVが20万台、そしてBEVも19万台(6.7%)と、それぞれが19年よりも最大で3倍以上の勢いで増加している。その結果、電動化のシェアは31%を超え、新車の平均CO2排出量は19年の157g/kmから11%減少して139.8g/kmとなった。
さらにこの中でBEVと違って充電インフラに必ずしも頼る必要のないPHEVの人気はここ数年とくに高く、20年は前年比の342.1%を記録しているという。こうした状況を読み取っていたアウディは、リニューアルしたPHEVシステムを搭載した3台のアップデートモデルを発表。そのワークショップを開催すると同時に、試乗するチャンスも与えてくれた。