1980〜90年代にかけて「クロカンブーム」を支えた4WDが各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第24弾はいすゞ「初代ビッグホーン」だ。

クラス初の独立懸架式サスペンションを搭載

斬新さが際立っていたのは見た目だけではない。フロントサスペンションに独立式を採用したのもビッグホーンがクラス初だった。フロントは走行安定性を考慮したダブルウイッシュボーン+トーションバー、リアは悪路走行に強いリーフリジッドを取り入れた。このサスペンションレイアウトは現在のオフロード4WDにも使われている。

1987年にサスペンションに大幅な変更を施す。ドイツの「イルムシャー社」と共同でサスペンション開発を行い、フロントロアアームのスパン延長・前後のトレッド拡大・きめ細かいリセッティングなどを実施し、高速安定性と悪路走破性を大幅に改良した。

画像: 1988年11月には、2.8Lディーゼルターボエンジンを搭載したワゴン仕様の「イルムシャーS」が追加された。

1988年11月には、2.8Lディーゼルターボエンジンを搭載したワゴン仕様の「イルムシャーS」が追加された。

このサスペンションを採用したアクティブなモデルを「イルムシャー仕様」とし、後のビッグホーンの代名詞ともなる基礎を作り上げた。以降、イルムシャーシリーズの充実化を図っていった。また、1987年には最高級ワゴングレード「エクスポート仕様」も追加。スタイルでは、特徴的だった丸目2灯ヘッドライトを角目に変更している。

さらに1989年には上級グレードもイノベーションする。エクスポートに代わり、イギリスの「グループ・ロータス・パブリック社」がサスペンションを設定し、よりしなやかな乗り心地を実現した「スペシャルエディション byロータス」をロングボディに追加。この翌1990年にはディーゼルターボ車のロングワゴン車全車に4速ATを設定した。

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