1980〜90年代にかけて「クロカンブーム」を支えた4WDが各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第24弾はいすゞ「初代ビッグホーン」だ。

10年という長い時を過ごした初期型は、絶えず改良を加え人気モデルへと成長した

なおデビュー当初のエンジンは、ファスターロデオから譲り受けた2238ccの直4ディーゼルC223型(最高出力73ps/最大トルク14.2kgm)を搭載した。ただし、こちらはスタイリッシュな見た目とは裏腹に非力さが目立ち、1984年にターボを備えたC223-T型(最高出力87ps/最大トルク18.7kgm)を追加。同時に、ガソリンエンジンG200型(最高出力105ps)をワゴン車に採用する。

1985年には1994cc 直4ガソリンエンジン(4ZC1型:最高出力105ps/最大トルク16.6kgm)へ、1988年には2559cc 直4ガソリンエンジン(4ZE1型:最高出力120ps/最大トルク20.0kgm)へと進化させ、後のロータスとなる3ナンバーモデルを強化する。

画像: イルムシャーシリーズのビッグホーンには、MOMO製のレザーハンドルが標準装備された。

イルムシャーシリーズのビッグホーンには、MOMO製のレザーハンドルが標準装備された。

一方ディーゼルエンジンは1987年にエルフ搭載のターボ付き2771ccの4JB1-T型(最高出力115ps/最大トルク24.0kgm)に変更。1988年には、それにインタークーラーを備えることでクリーンな排出ガスとパワーアップを実現。パワーユニットも絶え間なく進化させ、さらに乗用車感覚に近い4WDに仕上げた。

まだ国内ではRVやSUVという言葉は浸透していない時代だっただけに、ビッグホーンの出発はトライアンドエラーも多かった。しかし、登場からフルモデルチェンジまでの10年間であらゆる面を見直していった結果、一度は下降気味になった販売台数を回復させることに成功。頭角を表した多目的4WDの先駆者ビッグホーンは、ライバルをリードする存在へと返り咲いたのだ。

This article is a sponsored article by
''.