2008年、3代目アウディA6がフェイスリフトを受けた。ガソリンエンジンがすべて直噴化され、クワトロシステムが最新世代のものとなったが、この時新たに設定されたのが「3.0TFSIクワトロ」だった。Motor Magazine誌は欧州で開催された国際試乗会に参加、さっそくA6 3.0TFSIクワトロの試乗テストを行っている。ここではその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年12月号より)

メカニズムからデザインまで変更箇所は多岐にわたる

さて、フェイスリフトの内容を詳しく見ていこう。まずエンジンだが、4種類のTDIはもちろん、2.0TFSI(200ps)から4.2FSI(350ps)まで、5種のガソリンエンジンもすべて直噴となった。

燃費は前述のように全般に向上しているが、とくに新たに設定された2.0TDIe(136ps)は、EU総合モードで18.9km/Lという低燃費だ。

また、冒頭で触れた3.0TFSIの同モードは10.6km/Lで、従来モデルの3.2FSI(235ps)よりもパワーは35ps上回るにもかかわらず、燃費は0.2km/Lほどアップしている。

クワトロシステムは、ついにこのA6も最新世代となった。フロント:リア=40%:60%を基本として、最大でフロントへ65%、リアへは85%の駆動力を配分するタイプだ。トランスミッションは、マルチトロニック(CVT)とティプトロニック(6速AT)、そして、一部のグレードには6速MTも用意される。

サスペンションは「スポーティなキャラクターを損なわずに乗り心地を改善」 する方向で、リファインしたという。

エクステリアはシングルフレームグリル、バンパー、エアインレット、フォグライトなどすべてデザインが見直されているが、最大の変更点はデイタイムランニングライトが搭載されたことだ。

LEDはA4のように波形ではなく一直線に並んでいる。「A3からA8まで、顔がどれも似すぎている」 という指摘が一部にあるようだが、これを受けてLEDの配置をA4とは違う一直線にしたのかも知れない。理由はどうであれ、これは正解だ。ひと目でそのクルマが何であるか、わかるに越したことはないだろう。

リアスタイルはコンビネーションライトが大きく変更され、イメージを一新している。一見、A4とよく似ているのだが、よく見ると細部はかなり違う。全体から受ける印象としては、A4は「目尻が下がったやさしい雰囲気」 を持つのだが、A6は「目尻がキリッと上がった精悍なイメージ」 を漂わせている。

インテリアはアルミ素材をより多く使うことにより、豪華でスポーティに仕立てられている。また、ステアリングホイールの形状が変更になった。これまではセンターパッド部分が大きめで、あまりスポーティな印象ではなかったが、この部分が若干スリムになったことで、インパネまわり全体とのデザイン的なバランスがよくなったと思う。

機能面ではMMI(マルチメディアインターフェイス)がバージョンアップしたことがニュースだ。2002年に登場したこのシステムは、ダイヤルを中心として、その周辺に補助的スイッチを配するもので、ダイヤルに機能を集中させたライバル車とは考え方が異なっていた。どちらが操作性に優れているかのつば競り合いがあったが、どうやらこれについてはアウディに軍配が上がったようで、ライバル車も補助的スイッチを設ける形で、システムの進化を図っている。

そのMMIの操作性がさらによくなった。ダイヤルの上部にジョイスティックのように使えるキャップが付いた。また、ナビゲーションなどのシステム自体のスペックも向上している。

画像: リアのコンビネーションライトがA4に似たデザインとなったが、全体的にはこのA6の方が引き締まってスポーティな印象を受ける。

リアのコンビネーションライトがA4に似たデザインとなったが、全体的にはこのA6の方が引き締まってスポーティな印象を受ける。

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