「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ ラクティスだ。
トヨタ ラクティス(2010年:2代目フルモデルチェンジ)
トール系コンパクトには、20〜30代のヤングファミリーユーザーが増えている。選ばれるポイントは、スポーティなデザイン、広い室内、キビキビした走り、そして経済性。それらをギュッと詰め込み、家族の日常にときめきを与えるというのが、新型ラクティスの目指すところだ。
ラクティスの市場は日本とヨーロッパ。スポーティグレードの「S」が、そのままヨーロッパ仕様と聞けば、走り好きは気になるところ。まず、いちばんの特徴はユーロサスペンションを投入し、電動パワステを含めて足まわりはドイツのアウトバーンやヨーロッパのカントリーロードを走って煮詰めたという。ブレーキはリアもディスクとなり、16インチタイヤは他グレードよりサイズアップ。
さらにパドルシフトも標準装備する。その位置や形状、そしてレスポンスも上々だ。また、スポーツモードも用意されており、ワインディングなどではスイッチひとつで、より力強い走りにシフトできる。
「G」の1.5Lと比較すると、足まわりが硬めなぶん多少振動を感じるが、しっかり感のあるブレーキなど、明らかな違いがある。車両価格はGよりも10万5000円高となるが、走り好きのお父さんにはオススメできる。