クルマ作りの方向性が今までとは違ってきた
メインのパワートレーンはe:HEV。バッテリー蓄電量があるときはモーターで走行し、残量が少ない時や力強く加速する時は、エンジンでの発電を加えてモーターで力強く走行する独自のハイブリッドシステムを搭載している。
もっとも、高速クルーズ時はエンジン走行するのがこのシステムの特徴なので、正直、エンジン音に煩わしさを感じることもある。またACC使用時の中間加速などもおとなしめで、もう少しパワフルでもいいと思ってしまう。
しかし、エンジンで発電しつつも、モーターで走れる範囲が伸びていること、高速クルーズ時はクラッチが直結してエンジンで直接走行していることで、燃費はWLTCモード(高速)で21.1km/Lというのだから恐れ入るしかない。
![画像: ホンダ独自の2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載。WLTCモード総合燃費は22.0km/L。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/06/09/c90a7bf7d18708803c76f2b6db1e7f6fead31544_xlarge.jpg)
ホンダ独自の2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載。WLTCモード総合燃費は22.0km/L。
また、パドルシフトでの減速感の調整もしっかり差が出るので、とくにスポーツモードなどを選択すると、さらに気分が高まるなんていう愉しさもあるのがいい。ステアフィールも最近のクルマにしてはドッシリ目なので、安定感の高さも感じられることだろう。
安定といえばリアルタイムAWDだ。プロペラシャフトでリニアに駆動力を伝えるタイプなのだが、とくに差が出るのがコーナリング。「アジャイルハンドリングアシスト」がイン側に引き寄せるようなラインを取るべくサポートしてくれるので、とくに雨天時の中速以上のコーナリングシーンでは確実な違いが体感できる。試乗時はたまたま雨だったのだが、もはや安全装備のひとつとして数えたいと思った。
ドライバーの負担を減らし、車内でいかに快適に過ごすか・・・。そこにもホンダの変化を感じた。(文:竹岡 圭/写真:永元秀和)
ホンダ ヴェゼル e:HEV Z(4WD) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4330×1790×1590mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1450kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●総排気量:1496cc
●最高出力:78kW(106ps)/6000-6400rpm
●最大トルク:127Nm/4500-5000rpm
●モーター最高出力:96kW(131ps)/4000-8000rpm
●モーター最大トルク:235Nm/0-3500rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●WLTCモード燃費:22.0km/L
●タイヤサイズ:225/50R18
●車両価格(税込):311万8500円