およそ7年半ぶりのフルモデルチェンジとあって発売前から話題沸騰だった新型ヴェゼル。今回は人気グレードであるハイブリッドの「e:HEV Z」を連れ出して、新しいホンダの主力SUVとなるヴェゼルの息吹を感じてきた。(Motor Magazine2021年7月号より)

クルマ作りの方向性が今までとは違ってきた

メインのパワートレーンはe:HEV。バッテリー蓄電量があるときはモーターで走行し、残量が少ない時や力強く加速する時は、エンジンでの発電を加えてモーターで力強く走行する独自のハイブリッドシステムを搭載している。

もっとも、高速クルーズ時はエンジン走行するのがこのシステムの特徴なので、正直、エンジン音に煩わしさを感じることもある。またACC使用時の中間加速などもおとなしめで、もう少しパワフルでもいいと思ってしまう。

しかし、エンジンで発電しつつも、モーターで走れる範囲が伸びていること、高速クルーズ時はクラッチが直結してエンジンで直接走行していることで、燃費はWLTCモード(高速)で21.1km/Lというのだから恐れ入るしかない。

画像: ホンダ独自の2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載。WLTCモード総合燃費は22.0km/L。

ホンダ独自の2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載。WLTCモード総合燃費は22.0km/L。

また、パドルシフトでの減速感の調整もしっかり差が出るので、とくにスポーツモードなどを選択すると、さらに気分が高まるなんていう愉しさもあるのがいい。ステアフィールも最近のクルマにしてはドッシリ目なので、安定感の高さも感じられることだろう。

安定といえばリアルタイムAWDだ。プロペラシャフトでリニアに駆動力を伝えるタイプなのだが、とくに差が出るのがコーナリング。「アジャイルハンドリングアシスト」がイン側に引き寄せるようなラインを取るべくサポートしてくれるので、とくに雨天時の中速以上のコーナリングシーンでは確実な違いが体感できる。試乗時はたまたま雨だったのだが、もはや安全装備のひとつとして数えたいと思った。

ドライバーの負担を減らし、車内でいかに快適に過ごすか・・・。そこにもホンダの変化を感じた。(文:竹岡 圭/写真:永元秀和)

ホンダ ヴェゼル e:HEV Z(4WD) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4330×1790×1590mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1450kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●総排気量:1496cc
●最高出力:78kW(106ps)/6000-6400rpm
●最大トルク:127Nm/4500-5000rpm
●モーター最高出力:96kW(131ps)/4000-8000rpm
●モーター最大トルク:235Nm/0-3500rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●WLTCモード燃費:22.0km/L
●タイヤサイズ:225/50R18
●車両価格(税込):311万8500円

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