愛着が湧く顔立ち。コネクティッドも充実
このところホンダ車のデザインはずいぶんと変わってきた。以前は無機的だったけれど、最近は温かみや愛嬌にあふれ、まるで喋り出すのではないか? というくらいの生き物っぽさが、全面にクローズアップされてきたように思う。
新型ヴェゼルもそう。LEDヘッドランプはスッと切れ長な目をしているものの、冷たい感じはせず愛着が湧くタイプ。ドッシリ構えた下半身と、クーペ風に絞り込まれた上半身という、ある種お手本のようなスタイルながら、存在感と個性が上手く表現されている。水平基調のインテリアはコンサバティブかと思いきや、センタークラスターの下半分のデザインが有機的にまとめられているため、イマっぽさも持ち合わせている。
そして何より驚かされたのは、質感の高さだ。手触りが良く柔らかいソフトパッドが多用されていて、このクラスにありがちなプラスティッキーな感じは上手に払拭。個人的にはグレージュ内装の「PLay」が圧倒的にオシャレ度は高いと思うが、他グレードのブラック内装でも上質感は見事に表現されていた。
見た目だけでなく、装備も充実している。スマホデジタルキー、車内Wi-Fi、ナビシステムの自動地図更新サービス等々、コネクティッド面の充実度もなかなか。ユニークなのは「そよ風アウトレット」と名付けられたエアコンの吹き出し口。オープンカーに乗っているかのような心地良い風を送ってくれるだけでなく、車室内を風がうまく循環するので、後席の乗員も心地良い風を感じることが出来る。先代同様、センタータンクレイアウトを採用しているため後席はなかなかの広さを持ち、そこでそよ風にあたるのがなんとも心地いい。
ラゲッジルームも想像以上に広い。しかも後部座席の背もたれが座面ごとダイブダウンしてたたまれるので、車中泊もできるほどの完全フラットなスペースが出現する。テールゲートからのアクセスもハンズフリー。予約クローズ機能も付いて、利便性まで考慮されている・・・。とまぁ、機能装備だけでもテンコ盛りなのだが、走りの方もかなり進化していた。