「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、HKSがカスタマイズしたホンダ CR-Zだ。

ノーマルより明らかに俊敏さを増している

画像: HKSのGTスーパーチャージャーコンプリートキット(ステップ2)を装着し、202.4ps/26.7kgmオーバーを発生。

HKSのGTスーパーチャージャーコンプリートキット(ステップ2)を装着し、202.4ps/26.7kgmオーバーを発生。

パワー的には、インジェクターまで変更した上級仕様で、最高出力は202.4ps、最大トルクは26.7kgmオーバーを発生している。とはいえ、排出ガス性能も燃費性能もさほど落ちていないというから、たいしたものだ。

さて、走り出すとノーマルとは別モノだと言うことが街中でも体験できる。とくにスタートダッシュのトルク感は見事なもので、モーターアシストがあるとはいえダルさが残っていたノーマルとは別次元だ。いわばS/Cとモーターのツインチャージで、その実力はかなりスポーティだ。

S/Cの装着で変わったのは走りの性能だけでなく、S/C独特の「ウイーン」という、ちょっと高周波のサウンドと、HKSのサイレントハイパワーマフラーによるエキゾーストノートのハーモニーも、好きな人にはたまらないかもしれない。

以前に行ったテストでは、最高速度は222km/h(スピードリミッター解除装置を装着)とノーマルより約20km/hアップという結果を出しながら、燃費はノーマルとほぼ同等だったという。つまり、S/Cを装着しながら、しっかりとエコを両立させているところは、さすがだ。

ノーマルのCR-Zは「エコカーはエコだけでは終わらない」と掲げたが、真の意味でそれを実現したのが、このHKS CR-Zだ。スポーツカーと名のれるだけの速さを持ち、しかもエコ性能をも実現した、そのバランスは見事なもの。この実力を約45万円の出費で実現できるのだから、CR-Zにモアパワーを望んでいる人は検討の余地がありそうだ。

画像: リアまわりでは、リアコンビランプのレンズとマフラーが交換されているが、それ以外はノーマルと変わらない。

リアまわりでは、リアコンビランプのレンズとマフラーが交換されているが、それ以外はノーマルと変わらない。

■ホンダ CR-Z アルファ(ベース車両) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4080×1740×1395mm
●ホイールベース:2435mm
●車両重量:1130kg
●エンジン種類:直4 SOHC+モーター
●排気量:1496cc
●エンジン最高出力:84kW<114ps>/6000rpm
●エンジン最大トルク:145Nm<14.8kgm>/4800rpm
●モーター最高出力:10kW<14ps>/1500rpm
●モーター最大トルク:78Nm<8.0kgm>/1000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:22.5km/L
●タイヤ:195/55R16
●当時の車両価格<税込み>:249万8000円

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