ベンテイガ、コンチネンタルGTと同様にフライングスパーにもW12エンジンに加え、V8エンジン搭載車がラインナップした。搭載エンジン以外、この2モデルにはどのような違いがあるのだろうか。(Motor Magazine2021年7月号より)

時間や場所、見る角度で多彩な表情を見せてくれるV8のスライングスパー

乗り心地の快適さでもW12モデルとの違いは感じられなかった。普段はふんわりとソフトでも、ワインディングロードではしっかりとした足腰を披露してコーナーを俊敏に駆け抜けていく様は、はるかにコンパクトなスポーツセダンさながら。室内が豪華で広々としているだけでなく、自らハンドルを握って走りを楽しめる点にこそベントレーの真骨頂はある。

いっぽうで、新発見もあった。アクセルペダルを深く踏み込んでも、V8の豪快なエンジン音を響かせなくなったことは、なによりも嬉しい改良点。ただし、高回転域では、いかにも精密そうなメカニカルノイズをほど良いボリュームで聞かせることにより、ドライバーに心地いい高揚感をもたらすという工夫も凝らされていた。

運転支援機能系ではハンドル保持を検出するセンサーが静電容量式となったおかげで、アクティブ レーン キーピング(ALK)を継続させるために、いちいち軽く操舵する必要がなくなったのも嬉しいところである。同じくALKには車線中央維持機能が追加され、車線の中央を積極的に、そしてスムーズにトレースするようになった。運転支援系の装備はベントレーの数少ない弱点のひとつだったが、これで完全に解消されたといって間違いないだろう。

さらにはワインディングロードに持ち込んだりハイウエイをクルージングするたびに、フライングスパーV8は新しい表情を見せてくれた。それはスタイリングについてもまったく同様。ちょっとした陽の当たり方、見る角度によってデザインに対する印象が大きく異なるのだ。ボディカラーについても同じことが言えるが、ペシーナという名の明るいゴールドにペイントされた試乗車は光と影のコントラストが鮮明で、しかも表情の変化する幅が広く、眺めていて飽きることがなかった。

ひとつの平面的なキャラクターだけではなく、刻々と見え方が変化する奥深いクルマづくり。これこそ本物のラグジュアリーカーというものである。(文:大谷達也/写真:井上雅行)

画像: フライングスパーV8は4L V8ツインターボエンジンを搭載。それに8速DCTを組み合わせる。駆動方式にはアクティブAWDを採用。

フライングスパーV8は4L V8ツインターボエンジンを搭載。それに8速DCTを組み合わせる。駆動方式にはアクティブAWDを採用。

最大858kmの航続距離を実現したベンテイガ ハイブリッド

ベントレー史上最高の運動性能を誇るロードカー・・・2021年3月に本国で発表されたコンチネンタルGTスピードは、そんな謳い文句どおりの猛烈なパフォーマンスで、プレミアム スポーツクーペの新たな世界観を提案してくれた。超高級車でありながらダイナミック性能を徹底的に追求する姿勢は、ベントレーブランドが誕生した1919年以来、変わっていない。

日本には、そのコンバーチブルモデルが2021年春にされた。流麗なオープントップスタイルながら、クーペと同じ強心臓で劇的速さを見せる。

一方で、ベントレー史上最高のサステイナブル性能、と謳いたくなるような改良型ベンテイガ ハイブリッドも発表され、2021年中のデリバリーが待たれるモデルだ。名前はシンプルだが、中身は外部充電が可能なプラグインハイブリッドシステムを採用している。3L V6ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたパワートレーンは、システム最高出力449psを発生、約50kmをEVモードで走行することができる。ちなみにエンジンとモーターのコンビネーションによる航続距離は、最大で858kmに達するという。

ベントレーらしい「おもてなし」にも余念がない。ベントレーハイブリッド エフィシエンシーシステムを採用、アクセルペダル、ブレーキなどの操作時に効率の良い走行をアシストしてくれる。(文:Motor Magazine編集部 神原 久/写真:ベントレー モーターズ)

画像: ベンテイガ ハイブリッドのパワートレーンは、3L V6ガソリンツインターボ+Eモーター。システム総合で449psの最高出力と700Nmの最大トルクを発生。

ベンテイガ ハイブリッドのパワートレーンは、3L V6ガソリンツインターボ+Eモーター。システム総合で449psの最高出力と700Nmの最大トルクを発生。

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