ブランドの個性がそれぞれのSUVに現れている
最後にキャデラックXT6。2−2−2配列で、センターウオークスルーになっている。となると、たいてい、真ん中からアクセスする人がほとんどだと思うのだが、あえてサイド側も確認してみる。
2列目シートをスライドさせ、肩のノブでガバッと前に倒したものの、相当スペースは狭い。しかもシート形状により端が出っ張っているので、空間的にもより狭いのだ。なのにもかかわらず床は高い上、サイドステップはない。ついついヨイショ!と声が漏れてしまうくらい身体を引き上げる感じになるが、その時の支点になる足元のスペースが、これまた狭いのである。爪先を引っかけるのがせいぜいの上、足抜きスペースも狭いので、XC90よりも乗りにくい。やはりセンターウオークスルーを通るのが王道だと再確認することになった。
3列目シートの見た目はたっぷりとしている。カップルディスタンスは接近しているが、それより気になるのは座り心地の硬さ。シート形状もフラットだし、背もたれも硬く、大きさはあるがベンチ感が拭えない。さらに床が高いので、若干膝を抱え込む格好になる。スペース的なゆとりはあるが、快適とは言い難いのが正直な感想だ。装備は、USBジャック、カップホルダー、左右振り分けライトが用意されていた。
最後にラゲッジルームだが、GLSとXT6は、2列目も3列目も電動の上、ラゲッジルーム側のスイッチで操作できるのでシートアレンジはとても簡単だ。またXT6のフロア下のアンダーボックスは、底は斜めなものの深さがかなりあり、隠す収納にはかなり使えそう。さらにその下には、テンパータイヤとエマージェンシーキットが入っている。
3列目の収納操作は手動だが、工夫があったのはXC90である。広すぎる空間を荷物が転がってしまわないように区切ったり、留めたりできるグロサリーバックホルダーは、シンプルながらなかなか賢い。
あると便利な3列目のシートだが、使用頻度は人それぞれ。ブランドの考え方もまたさまざまなので自分の使い方に合ったチョイスができればその魅力は倍増する。(文:竹岡 圭/写真:永元秀和)
メルセデス・ベンツ GLS 400d 4マティック 主要諸元
●全長×全幅×全高:5210×1955×1825mm
●ホイールベース:3135mm
●車両重量:2540kg
●エンジン:直6 DOHCディーゼルターボ
●排気量:2924cc
●最高出力:243kW(330ps)/3600-4200rpm
●最大トルク:700Nm/1200-3200rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:軽油・90L
●WLTCモード燃費:10.9km/L
●タイヤサイズ:275/50R20
●車両価格:1263万円(2020年当時)
ボルボ XC90 B5 AWD ノルディックエディション 主要諸元
●全長×全幅×全高:4950×1960×1775mm
●ホイールベース:2985mm
●車両重量:2120kg
●エンジン:直4DOHCターボ+モーター
●排気量:1968cc
●最高出力:184kW(250ps)/5400-5700rpm
●最大トルク:350Nm/1800-4800rpm
●モーター最高出力:10kW/3000rpm
●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミム・71L
●WLTCモード燃費:10.9km/L
●タイヤサイズ:275/45R20
●車両価格:879万円(2020年当時)
キャデラック XT6 プラチナム 主要諸元
●全長×全幅×全高:5060×1960×1775mm
●ホイールベース:2860mm
●車両重量:2110kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3649cc
●最高出力:231kW(314ps)/6700rpm
●最大トルク:368Nm/5000rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミム・83L
●WLTCモード燃費:-
●タイヤサイズ:235/55R20
●車両価格:870万円(2020年当時)