ICE(内燃機関)のラインアップを充実させる一方で、BEVへの移行を進めつつあるフォルクスワーゲン。BEVのスポーツモデルという位置づけのID.4 GTXは、けれん味のない高性能を与えられていた。(Motor Magazine2021年8月号より)

一般路ではやや固めの足も、アウトバーンで真価を発揮

ゴルフRにも採用されているオプションのスポーツシートに身を任せ、ドライブセレクターをDに、さらにエコ、コンフォート、スポーツ、インディビジュアル、そしてトラクションの5つのドライブプロファイルの中からコンフォートを選択して試乗開始だ。

アダプティブダンパーとプログレシブステアリングシステムが装備されるスポーティなシャシは一般道路ではややゴツゴツとした感じがあるが不快ではない。アウトバーンでのおよそ100~130km/h巡行では快適な乗り心地で文字どおりツーリングを楽しめた。

フロントは358mm径のディスクブレーキ、リアはドラムブレーキだが回生ブレーキの助けもあって制動能力は十分だ。山間路でスポーツを選択すれば敏捷さは増して、高さ1.6mとは思えない安定した姿勢でコーナーをクリアする。

低ミュー路やコーナリング時の4WDへの移行は数マイクロセカンド単位で行われるためにドライバーはまったく気が付かない。消費電力はNEDCで100kmあたり19.1kWhから18.1kWhで、DC急速チャージャーを使って30分で300km分の給電が可能と発表されている。

価格は独でベースモデルが5万0415ユーロ(約665万円)からで、すでに受注が始まった。ただし残念ながら日本市場での販売は予定されていない。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)

画像: ラゲッジルームは、タイヤハウスによる幅の制限はあるものの、低い位置にバッテリー、モーターがあり必要十分な容量。

ラゲッジルームは、タイヤハウスによる幅の制限はあるものの、低い位置にバッテリー、モーターがあり必要十分な容量。

This article is a sponsored article by
''.