ホンダは地球環境問題への取り組みに早くから積極的だった
地球環境問題への取り組みや、そのアピールに関して、ホンダは日本の自動車メーカーとして、もっとも早くから熱心だったと言えるはずだ。何しろホンダを世界に飛躍させたのは、環境技術CVCCである。そこへのこだわりは本来、人一倍のはずだろう。
近年も、究極のエコカーと目されてきた燃料電池自動車に関してホンダはもっとも積極的なメーカーのひとつと言うことができるし、エコに関する企業広告やテレビコマーシャルの展開をずっと続けてもいる。F1マシンを「アースカラー」で塗ったりもした。しかし、じゃあ世間で今、「ホンダ」と「環境」の二語に強い結びつきを感じているかと言えば、微妙と言わざるを得ないのが率直なところではないだろうか。
それを象徴しているのがハイブリッド車の存在感の薄さだ。初代インサイトも、後のシビックも国内販売は成功とは言えず、北米でも実はアコード ハイブリッドがラインアップから落ちてしまった。一時期、ディーゼルへの傾注という流れが見えたことも影響したのかもしれないが、プリウスを擁するトヨタに随分差をつけられてしまった感は否めないのだ。
しかし、潮目は変わった。ようやく今後の主力はこれだと腰が座ったのか、その戦略は再び強気に転じ始めている。そんなホンダのハイブリッドの、攻撃再開第一弾がインサイトである。
189万円からという低価格が話題のインサイトだが、率直に言って技術的には、シビック ハイブリッドに対して劇的な進化があるわけではない。基本システムは、ホンダが使い続けているIMA。インテグレーテッド モーター アシストの略であるその名が示す通り、あくまで主動力はエンジンで、電気モーターは加速アシストとエネルギー回生にて、それを補助する役割とされている。