「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、プロトン サトリア ネオだ。

コーナリングがコントローラブルで楽しい!

画像: プロトンが独自開発した1.6Lエンジン。現代的なエミッション性能を備えており、日本だけでなく欧州でも販売が可能だ。

プロトンが独自開発した1.6Lエンジン。現代的なエミッション性能を備えており、日本だけでなく欧州でも販売が可能だ。

試乗に用意されたのは丸和のダートトライアル コースの脇にある小さなジムカーナ コース。サトリア ネオはモータースポーツのベース車を主眼に販売されるため、一般道ではなくクローズドコースでの限界走行をアピールしたいという狙いだそうだ。

サトリア ネオのサイズは、全長3905×全幅1710×全高1420mm。トヨタ ヴィッツや日産マーチなどの国産コンパクトカーと大差ないサイズだが、全高だけは10cmほど低い。しかも、こちらは3ドア。スポーティ度は高い。

エンジンはプロトンが独自に開発したツインカム4気筒。113馬力という最高出力は、国産1.5Lのヴィッツやフィット、デミオと近い数値。サスペンションはフロントがストラットなのは一般的だが、リアにマルチリンクを採用しているのが美点。なんと、ロータスがチューニングしたという。エンジンは軽々とレッドゾーンの6500rpmまで回り、そのトルク感はフラットなもの。油圧パワステのフィールは、オーソドックスで好印象。5速のマニュアルミッションも使いやすい。

画像: ハンドリングのチューニングをロータスが担当。プロトンは当時、ロータスの親会社でもあった。

ハンドリングのチューニングをロータスが担当。プロトンは当時、ロータスの親会社でもあった。

そして肝心のコーナリング。フロントに荷重を残したままターンインすると、リアがきれいに振り出される。ひっかかりもなく、一定な動きでコントローラブル。恐怖心は感じさせない。これには驚いた。ボディや足まわりの剛性が高くて、接地性も良いのだろう。外から見ても内側後輪が浮き上がって3本足走行になることもない。これは面白い。

さんざんにタイヤを滑らせ、自由自在にクルマの向きを変えることを楽しんだ。それでも、さすがは南国生まれのクルマだ。延々と全開走行を続けても水温計の針は微動だにしない。聞けば2日間の試乗会で、タイヤは数セット使い切ったがオーバーヒートの気配は一切なかったという。

サトリア ネオは驚くほど速いクルマではない。しかし、驚くほど扱いやすかった。ドライバーを裏切らないクルマだ。これなら、モータースポーツ初心者にとっても信頼できる愛車になることは間違いないだろう。(編集部註:サトリア ネオは2012年からキャロッセによって正規輸入販売されました)

画像: タイヤのグリップの限界を超える瞬間がわかりやすく、また動きも素直なので扱いやすい。

タイヤのグリップの限界を超える瞬間がわかりやすく、また動きも素直なので扱いやすい。

■プロトン サトリア ネオ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3905×1710×1420mm
●ホイールベース:2440mm
●車両重量:1160kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1597cc
●最高出力:83kW<113ps>/6000rpm
●最大トルク:148Nm<15.1kgm>/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きFF
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤ:195/55R15
●当時の車両価格(税別):152万円

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