「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、コルベット、マスタング、そしてカマロという、アメリカを代表する3台のスポーツクーペを乗り比べてみた。

フォード マスタング V8GTクーペ(2011年)

画像: トルクフルなV8でクルージングしても楽しいし、そのサウンドと豪快な加速を堪能するのも楽しい。

トルクフルなV8でクルージングしても楽しいし、そのサウンドと豪快な加速を堪能するのも楽しい。

現行型のマスタングは2004年にデビューした6代目だが、2010年モデルから一部改良された。伝統のファストバック クーペが基本だが、コンバーチブルも設定されている。

試乗時間が限られているので、まずは乗ってみよう。強くアクセルを踏み込むと、一拍の間を置いたあとに、ウォーッという唸り声を上げてドッカーンという加速が襲ってくる。この加速感が、たまらない。これを味わいたくて、何度も追い越しをしてみたい衝動に駆られる。

日本仕様では昨年(編集部註:2010年)新開発の5.0L V8 DOHCエンジンを搭載したマスタング V8GTは、そうしたワクワク感が以前よりもさらにパワーアップしていると感じられた。それでも、ゆったりとクルージングを楽しみたいと思えば、大排気量エンジンの豊かな低速トルクを活かして、まさに大船に乗ったような安心感で巡航することもできる。

しかも、マスタングの燃費が優秀なことは以前からしれわたっていることだが、この新型エンジンでははさらに燃費効率が上がっているという。つまり、パワーアップと燃費向上を両立させているというわけだ。

また、パワーステアリングのアシストが油圧から電動に変更されて、とても操作が軽くなった。高速の合流のカーブなどでは切りすぎてしまうほどで、このあたりはもう少し節度というか、しっかり感があったほうがいいだろう。

とはいえ、クセになりそうなドッカン加速と日常のラクな運転を同時にかなえてくれるマスタングは、やっぱり貴重な存在であることは間違いない。

画像: 2010年秋にV8エンジンは新設計の5L DOHCとなり、パワーアップとともに燃費も改善された。

2010年秋にV8エンジンは新設計の5L DOHCとなり、パワーアップとともに燃費も改善された。

■フォード マスタング V8GTクーペ プレミアム 主要諸元

●全長×全幅×全高:4785×1880×1415mm
●ホイールベース:2720mm
●車両重量:1680kg
●エンジン種類:V8 DOHC
●排気量:4951cc
●最高出力:307kW<418ps>/6500rpm
●最大トルク:529Nm<53.9kgm>/4250rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤ:245/45R19
●当時の車両価格(税込):500万円

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