「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、コルベット、マスタング、そしてカマロという、アメリカを代表する3台のスポーツクーペを乗り比べてみた。

シボレー カマロSS RS(2011年)

画像: アメリカ車としては意外?な剛性の高い走りっぷりは低速から高速まで変わらない。気軽に乗ってみたい。

アメリカ車としては意外?な剛性の高い走りっぷりは低速から高速まで変わらない。気軽に乗ってみたい。

「アメリカン マッスルクーペ」イッキ乗りの最後は、2009年にデビューした5代目のシボレー カマロ。2011年モデルからヘッドアップディスプレイが標準装備された。

ちょっぴり懐かしさがこみ上げるような、1967年にデビューした初代カマロを彷彿とさせる「らしさ」を散りばめたエクステリアには、グッとくる人も多いのではないだろうか。たとえば、えぐったグリルから覗くヘッドランプや、鼻筋の通ったキャラクターラインがかなりツボにハマっている。

乗り込んでみると、またそこにはレトロとフューチャーがうまくミックスされた、独特のコクピットが展開している。とくにセンターコンソールにセットされた4連の計器類は、スクエアなデザインがカマロらしくていい。スポーツシートはサイズがタップリしているがホールド感は悪くない。しっかり守られていることを感じるとともに、サーキットのグリッドに並んでいるような一種の緊張感も湧いてくるから面白い。

そして走り出してみると、まず、どこにもユルさのないカタマリ感がすごい。低速時の剛性感がそのまま、加速していっても続いていく。6.2LのV8エンジンはまったく神経質なところはなく、加速時などのサウンドは勇ましいものだがクルージング中はけっこう温和だ。コルベットと同様のOHVだが、走行状況に応じて4気筒を休止する可変気筒システムも備えている。

ステアリングのフィールもブレーキも素直で、じつに扱いやすい。肩ひじ張らずに乗ることができる、カマロSSこそ、まさにゲタ感覚で乗れるマッスルカーといえるだろう。

画像: カマロ史上最強の6.2L V8はOHVだが状況に応じて4気筒となる可変気筒システムも備える。

カマロ史上最強の6.2L V8はOHVだが状況に応じて4気筒となる可変気筒システムも備える。

■シボレー カマロSS RS 主要諸元

●全長×全幅×全高:4840×1915×1380mm
●ホイールベース:2855mm
●車両重量:1780kg
●エンジン種類:V8 OHV
●排気量:6153cc
●最高出力:298kW<405ps>/5900rpm
●最大トルク:556Nm<56.7kgm>/4300rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤ:前245/45R20、後275/40R20
●当時の車両価格(税込):535万円

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