「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、リンカーンのSUV、ナビゲーターとMKXを乗り比べてみた。

リンカーン MKX(2011年)

画像: リンカーン MKX(2011年)

リンカーンの日本再導入第2弾となったのが、「MKX」。「マークエックス」と呼ぶ人もいるが、日本では「エムケーエックス」と呼ばれるようだ。フォード グループで共同開発したFFベースのプラットフォームを採用した高級クロスオーバーSUVで、初代となる現行型が発表されたのは2006年。

このほど、ビッグマイナーチェンジが施された2011年モデルが日本でも発売された。エンジンは従来の3.5Lから、マスタングと同じ新しい3.7Lに換装された。この新しいV6エンジンは、現代的でスムーズなフィーリングながら回すとアメリカ車っぽいドロドロとしたサウンドも楽しめるという味付けだ。さらに、6速ATはシフトノブ上のスイッチで+(シフトアップ)/ー(シフトダウン)を操作できるようになったのも新たな特徴だ。

エクステリアも一新された。フロントマスクにはリンカーンの現行ラインアップに共通のアイデンティティである「スプリットウインググリル」が与えられた。これに合わせて、テールランプもウイングシェイプをモチーフとしたものとなり、全体的に新型のほうが存在感が増している。

そしてインテリアも、プレミアムレザーやウオールナット ウッドパネルなどを用いた、高級感あふれるものとなり、このあたりもMKXの真骨頂といえる。新型でデザインがモダンになり、メーターパネル内のディスプレイや、インパネ中央のカラースクリーン上で各種情報や機能をスマートフォン感覚で操作できる「マイ リンカーン タッチ」という先進のアイテムが新たに与えられたのも特徴だ。また、広大な開口面積を誇る「ビスタルーフ」もMKXならではのアイテムといえるだろう。

その乗り味はゆったりとしたもので、静粛性も高く、極めて快適性に優れている。しかも、これだけ中身が充実しながら、車両価格は20万円も安くなったというのだから、従来型のオーナーが大いに悔しがることは間違いなさそうだ。

画像: センターダッシュのタッチパネル操作で、エアコンやオーディオなどをコントロールできる。

センターダッシュのタッチパネル操作で、エアコンやオーディオなどをコントロールできる。

■リンカーン ナビゲーター 主要諸元

●全長×全幅×全高:5295×2035×1995mm
●ホイールベース:3020mm
●車両重量:2730kg
●エンジン種類:V8 SOHC
●排気量:5413cc
●最高出力:231kW<314ps>/5100rpm
●最大トルク:495Nm<50.5kgm>/3600rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤ:275/55R20
●当時の車両価格(税込):900万円

■リンカーン MKX 主要諸元

●全長×全幅×全高:4740×1930×1685mm
●ホイールベース:2820mm
●車両重量:2030kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3721cc
●最高出力:227kW<309ps>/6500rpm
●最大トルク:380Nm<38.7kgm>/4000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤ:245/60R18
●当時の車両価格(税込):630万円

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