日本仕様は先行発売されているタイ仕様などと差別化
1966年の誕生以来、2021年7月にはグローバルで5000万台の累計販売台数を達成した、トヨタを代表するクルマの1台であるカローラ。そのカローラシリーズにSUVの「カローラクロス」が新設定され、タイで世界初公開されたのは、2020年の夏。日本デビューも時間の問題かと思われていたが、ようやく満を持して日本仕様のカローラクロスが発表された。
カローラクロスのセリングポイントは、以下の3点だ。
1)力強く、躍動感あふれるスタイル
「アーバンアクティブ」をキーワードに、SUVらしいダイナミックで洗練されたデザインを採用。太い金属調加飾で縁取られた大型グリルは、今のところ日本仕様だけの意匠だ。LEDデイタイムランニングランプを備えたヘッドランプには4眼のシーケンシャルターンランプも内蔵している。
ボディサイドでは黒いフェンダーアーチやロッカーモールがSUVらしさを強調し、前後から絞り込まれるように入ったキャラクターラインも個性的だ。絞られた上部と安定感のある下部が対照的なリアは逞しさも表現している。
インテリアでは水平基調のインパネがドアのベルトラインまでつながり、乗員の誰もが広さと明るさを感じられるものとなっている。
2)使い勝手の良い快適な室内空間
カローラクロスはリアシートや荷室の広さも重視している。リアドア開口部の高さはクラストップレベルの787mmで、乗り降りがしやすく、チャイルドシートの利用や子どもの乗せおろしもしやすい。窓の面積も大きく、オプションだが大開口のパノラマルーフも設定される(今のところ日本仕様のみ)。
リアシートにもリクライニング機構が備わり、ラゲッジスペースは5名乗車時でも487Lと十分な容量を誇る。シートアレンジは多彩で、上級グレードにはハンズフリーバックドアも設定されている。
3)ずっと乗っていたくなる気持ちの良い乗り心地
フロントピラーのスリム化と高さをおさえたインパネで前方視界は良く、安全・安心な運転につながる。プラットフォームには高剛性のTNGAーCを採用し、質感のある乗り心地を実現している。カローラの美点である取り回しの良さも踏襲しており、最小回転半径は5.2mにとどめられている。
2WD(FF)車のリアサスペンションには新開発のトーションビームを採用し、大型ブッシュと合わせて荒れた路面でもしなやかで上質な走りを実現している。
パワートレーンは、1.8L 直4のガソリンエンジンと、それにモーターを組み合わせたハイブリッドの2種。トランスミッションは、ガソリン車はCVT、ハイブリッド車は電気式無段変速機。駆動方式は、ガソリン車はFFのみだが、ハイブリッド車はFFとリアにもモーターを備えたE-Fourも設定する(ハイブリッド車のE-Fourは今のところ日本仕様のみ)。
最新の運転支援システム「トヨタ セーフティセンス」は全車に標準装備し、パーキングサポートブレーキとバックガイドモニターもほとんどのグレードに標準装備。ハイブリッド車はアクセサリーコンセント(AC100V/1500W)と非常時給電モードをオプション設定し、停電などの非常時には車両駐車時に「非常時給電モード」にすれば、家電製品が使用可能な非常用電源として活用できる。
ハリアー/RAV4とヤリスクロス/ライズとの間を埋めるべく、ミドルクラスのSUVとして登場したカローラクロス。正式発表前の段階で、既に1万3500台以上もの受注が入っているという。これはもう、ヒットの予感まちがいなしだろう。
■トヨタ カローラクロス ラインアップ
●ガソリン車
G「X」(FF):199万9000円
G(FF):224万円
S(FF):240万円
Z(FF):264万円
●ハイブリッド車
G(FF/E-Four):259万円/279万9000円
S(FF/E-Four):275万円/295万9000円
Z(FF/E-Four):299万円/319万9000円
■トヨタ カローラクロス Z 主要諸元
●全長×全幅×全高:4490×1825×1620mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1410kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1797cc
●最高出力:72kW(98ps)/5200rpm
●最大トルク:142Nm(14.5kgm)/3600rpm
●モーター最高出力:53kW(72ps)
●モーター最大トルク:163Nm(16.6kgm)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・36L
●WLTCモード燃費:26.2km/L
●タイヤサイズ:225/50R18
●車両価格(税込):299万円