2008年にドイツ本国で6代目へと進化したフォルクスワーゲン ゴルフが、2009年になってようやく日本に上陸した。モデル末期となる2008年にも日本で2万3280台を販売して6年連続の輸入車No.1を記録したゴルフは、どこが新しく魅力的になったのか。Motor Magazine誌では、さっそく700kmを超えるロングツーリングに出かけている。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年6月号より)
販売好調の中で行われたゴルフVからゴルフVIへの交代
6世代目になったフォルクスワーゲン ゴルフが上陸した。さっそく2台のゴルフを引き連れて700kmを超えるロングツーリングを試すことができたので、解説を交えながらそのインプレッションをお伝えしよう。
エクステリアは35年の歴史を持つゴルフらしいシルエットを保つが、従来型よりもシャープなイメージを備えたデザインになった。ドアハンドルの上に前後のフェンダーをつなぐように走るエッジを持ったキャラクターラインがボディを引き締めている。ラジエターグリルが横長になり、ゴルフVとは別のイメージを作っている。
アウターパネルはすべて新しくなったように見えるが、実はルーフはゴルフVから継承したものだ。4つのタイヤの位置もゴルフVと同じ。つまりホイールベースは同じで、サスペンションも含めたシャシコンポーネントは変わっていない。
では、何のためにゴルフVIへとモデルチェンジしたのだろうか。それは、生産工程でのコストダウンと製品の熟成のためだという。
ゴルフVは出来のよいクルマだ。デビュー当時より年月を経て、徐々にその本質的な良さが認められ、世界中で販売台数を伸ばしていった。だからこのタイミングで、あえてモデルチェンジを行う必要はなかったくらいだ。
ただし製造コストを差し置いて良いクルマを造ろうとしたためか、販売台数が増えても利益が薄い。だから今回のモデルチェンジでは、そこを改善しようとした。ただし、そうはいってもただ安く作るだけではない。さらに熟成させてもっと良いクルマにしつつ、工場での製造コストを下げる戦略だ。