「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ Cクラスだ。

直4は静かになったが、V6はもっと良かった

画像: インパネも大きく変わった。カーナビのモニターは固定式になり、スイッチ類など細かい部分までデザインが変更されている。

インパネも大きく変わった。カーナビのモニターは固定式になり、スイッチ類など細かい部分までデザインが変更されている。

今回、国際試乗会で乗ることができたのは、1.8L 直噴ターボで204psと310Nmを発生するC250と、3.5L V6自然吸気で306psと370Nmを発生するC350。いずれもアイドリングストップ機能のECOスタート/ストップが標準装備されている。中でもニュースなのは、V6がついに直噴化されたことだ。

ご存知のように、近年多くの欧州車はCO2排出抑制にエンジンのダウンサイジング戦略を取っている。例えば、これまで6気筒が担当していた車種を直4に置き換え、ターボによってパワーサプリを行う手法だ。ところが、今回メルセデスがCクラスに積んだV6は、前記の出力を実現しつつ、ECOスタート/ストップの助けもあって欧州の燃費モードで14.3〜14.7km/L(セダン)を実現している。C250が14.9〜15.6km/L(同)だから、大きな差はない。

パワーフィールも頼もしい。これまではC300しか日本に導入されていないので直接的な比較は難しいけれど、どこか眠たげだった300に対し、350はトルクも厚みがあるし、何より回り方がダイナミック。グイグイと引っ張りながら、かつスムーズなのは大排気量マルチシリンダーならではの魅力だ。

一方、C250のATが7速になった恩恵で、極低速域のトルクの薄い領域が気になることもなく、動き出してしまえば実にトルクフル。実用上はこれで十分以上。それに4気筒系はエンジンの遮音対策が進んだのか、抜群に静かになっているのに感動した。

フットワークは変わらず、直進安定性が高いくせに、切り込んだ時の接地感やスムーズな回頭性は天下一品の出来。乗り心地も上質で、Cクラスの価値は確実に高まったようだ。

画像: セダンと同時にマイチェンされたワゴンの走りっぷりの進化も好印象だった。日本でも人気を呼ぶことは間違いないだろう。

セダンと同時にマイチェンされたワゴンの走りっぷりの進化も好印象だった。日本でも人気を呼ぶことは間違いないだろう。

■メルセデス・ベンツ C250セダン(欧州仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4591×1770×1444mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1505kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1795cc
●最高出力:150kW<204ps>/5500rpm
●最大トルク:310Nm<31.6kgm>/2000-4300rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●EU総合燃費:14.9〜15.6km/L
●タイヤ:205/55R16

■メルセデス・ベンツ C350ワゴン(欧州仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4606×1770×1463mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1670kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3498cc
●最高出力:225kW<306ps>/6500rpm
●最大トルク:370Nm<37.7kgm>/3500-6250rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●EU総合燃費:13.7〜14.1km/L
●タイヤ:225/45R17

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