直4は静かになったが、V6はもっと良かった
今回、国際試乗会で乗ることができたのは、1.8L 直噴ターボで204psと310Nmを発生するC250と、3.5L V6自然吸気で306psと370Nmを発生するC350。いずれもアイドリングストップ機能のECOスタート/ストップが標準装備されている。中でもニュースなのは、V6がついに直噴化されたことだ。
ご存知のように、近年多くの欧州車はCO2排出抑制にエンジンのダウンサイジング戦略を取っている。例えば、これまで6気筒が担当していた車種を直4に置き換え、ターボによってパワーサプリを行う手法だ。ところが、今回メルセデスがCクラスに積んだV6は、前記の出力を実現しつつ、ECOスタート/ストップの助けもあって欧州の燃費モードで14.3〜14.7km/L(セダン)を実現している。C250が14.9〜15.6km/L(同)だから、大きな差はない。
パワーフィールも頼もしい。これまではC300しか日本に導入されていないので直接的な比較は難しいけれど、どこか眠たげだった300に対し、350はトルクも厚みがあるし、何より回り方がダイナミック。グイグイと引っ張りながら、かつスムーズなのは大排気量マルチシリンダーならではの魅力だ。
一方、C250のATが7速になった恩恵で、極低速域のトルクの薄い領域が気になることもなく、動き出してしまえば実にトルクフル。実用上はこれで十分以上。それに4気筒系はエンジンの遮音対策が進んだのか、抜群に静かになっているのに感動した。
フットワークは変わらず、直進安定性が高いくせに、切り込んだ時の接地感やスムーズな回頭性は天下一品の出来。乗り心地も上質で、Cクラスの価値は確実に高まったようだ。
■メルセデス・ベンツ C250セダン(欧州仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4591×1770×1444mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1505kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1795cc
●最高出力:150kW<204ps>/5500rpm
●最大トルク:310Nm<31.6kgm>/2000-4300rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●EU総合燃費:14.9〜15.6km/L
●タイヤ:205/55R16
■メルセデス・ベンツ C350ワゴン(欧州仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4606×1770×1463mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1670kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3498cc
●最高出力:225kW<306ps>/6500rpm
●最大トルク:370Nm<37.7kgm>/3500-6250rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●EU総合燃費:13.7〜14.1km/L
●タイヤ:225/45R17