「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、BMW X3だ。

仕上がりの良さは、さすがBMWといえるだろう

画像: 他のBMW車でも定評ある3Lのツインスクロールターボ。トランスミッションは8速ATで4WDは前後トルク配分可変式。

他のBMW車でも定評ある3Lのツインスクロールターボ。トランスミッションは8速ATで4WDは前後トルク配分可変式。

ラインアップはXドライブ28iと同35i。どちらもBMW自慢のストレート6にダブルVANOSを搭載する。前者は自然吸気で最高出力258ps、後者はツインスクロール・シングルターボで306psを発生する。今回の試乗は35iのみだったが、撮影用に同時に535i グランツーリスモを借り出した。同じエンジンだけに、フィーリングの違いを感じ取れる。

新型X3で、まず感じたのはステアリングの軽さ。これはパワーステアリングのチューニングによるものだが、速度域が上がっていくとリニアにしっかり手応えを得る。このあたりのフィールはいい。ちなみに、これはブレーキエネルギー回生システムと連動する。加速時もそうだがオルタネーターの発電をカットしバッテリーから直に電力を得ることでエンジンへの負荷を減らす。省燃費にも貢献する仕組みだ。

エンジンは、ボディが軽いことから535i グランツーリスモよりも吹け上がりに軽快さを感じさせる。全域でアクセルに対し瞬発力強く反応するのはダブルVANOSの恩恵だろう。ギアはすぐに8速へ上がろうとするが、それでもじれったさはなくキッチリ加速する。

乗り心地は、リアサスペンションを見直したことでしっとりさが増した。特にコーナーでの安定感は特筆モノだ。この仕上がりは、やはりBMW。「らしさ」は色濃く出ていた。2代目も初代同様、人気を集めることは間違いないだろう。

画像: 今回はオンロードのみでの試乗だったが、ラフロードの走行性能も試してみたくなる新型X3だった。

今回はオンロードのみでの試乗だったが、ラフロードの走行性能も試してみたくなる新型X3だった。

■BMW X3 Xドライブ35i 主要諸元

●全長×全幅×全高:4650×1880×1675mm
●ホイールベース:2810mm
●車両重量:1900kg
●エンジン種類:直6 DOHCターボ
●排気量:2979cc
●最高出力:225kW<306ps>/5800rpm
●最大トルク:400Nm<40.8kgm>/1200-5000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●JC08モード燃費:11.0km/L
●タイヤサイズ:前245/45R19、後275/40R19
●当時の車両価格(税込):694万円

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