電動化はポルシェの重要なストラテジー
ポルシェは、クルマの電動化に積極的なメーカーである。自身初のピュアEV、タイカンではポルシェらしい姿カタチと走りに魅了された。さらに遡れば、プラグインハイブリッド(PHEV)の展開も積極的で、スポーツセダンのパナメーラやSUVのカイエンには、かなり前からPHEVをラインナップしている。電動化は、ポルシェらしさを増幅させる装置でもあるのだ。
スポーツカーメーカーとして責任と生き残り、そして他との差別化、圧倒的なパフォーマンスの発揮などを考え電動化に取り組んでいると言えるだろう。つまり電動化は、ポルシェにとって重要なストラテジーなのである。だからこそ、カイエンやパナメーラに数種類のPHEVをラインナップしているのだ。これは他ブランドにはない異例なことなのである。
まずはカイエンのPHEVのラインナップを整理したい。SUV、クーペボディともに用意されるのがEハイブリッド、ターボSEハイブリッドの2モデルである。
これらの違いは搭載するエンジンで前者が最高出力340ps/最大トルク450Nmを発生する3L V6ターボ、後者が最高出力550ps/最大トルク770Nmを発生する4L V8ツインターボとなる。電気モーターはどちらも同じもので最高出力136ps、最大トルク400Nmを発生する。ちなみにシステム合計では、Eハイブリッドが最高出力462ps/最大トルク700Nm、ターボSEハイブリッドは680ps/900Nmとなる。ちなみにEハイブリッドというグレード名は、PHEVを指している。
搭載されるリチウムイオンバッテリー容量は、17.9kWh。満充電でのEV走行可能距離は54〜55km(NEDCモード)となる。対応するのは普通充電のみだ。