乗り心地は良く、しかもハンドリングはスポーティ
![画像: インパネまわりのデザインは基本的にセダンと共通。視認性、操作性とも申し分ない。C63はパドルシフトも備える。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/10/20/ca5339675deb06c3bf4dc6e984f581551009f937_xlarge.jpg)
インパネまわりのデザインは基本的にセダンと共通。視認性、操作性とも申し分ない。C63はパドルシフトも備える。
また、新規車種でありながら絶妙な熟成感があったのも嬉しい驚きだった。2007年に登場した現行Cクラスは、当初ボディの剛性感の高さやメルセデスらしからぬ(!?)スポーティさが際立っていたものの、グレードによっては乗り心地が少々硬めだった。
ところが今回試乗したCクラスクーペは大径タイヤやスポーティなサスペンションを装着したモデルでも不快な突き上げなど皆無。それでいてCクラスが目指したスポーティなハンドリングは、セダン以上に磨きがかかっている。とくに直4はノーズが軽く、ワインディングでの楽しさはピカイチだ。
もっとも、純粋な楽しさという点ではC63 AMGが群を抜いていると言わざるを得ない。最近のAMGはダウンサイジングの5.5Lターボの採用が進んでいるが、コンパクトなCクラス クーペには引き続き6.2Lの自然吸気V8を搭載。いくら最近のターボが良くなっていると言っても、やはりミリ単位のアクセルワークにも敏感に反応するリニア感は自然吸気に分がある。右足とエンジンが直結しているかのような感覚が気持ちいい。
ハンドリングもナチュラルだ。AMGらしく機敏な反応をみせるが、それがけっしていきすぎたものではなく実にコントローラブル。ハイパフォーマンスながら手の内に収められる実感がある。AMG車の中でもっとも乗りやすいかもしれない。日本には、まずセダン版のC63が導入される予定だ。
メルセデスらしいコンフォート性能と新世代のスポーティさが絶妙にマッチしたCクラス クーペ。現行Cクラスが標榜したコンセプトの完成形といった出来映えだ。
![画像: サーキットを激走するC63 AMGクーペ。カーボン製リアスポイラーや4本出しマフラーが迫力を増幅している。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/10/20/e27f66f8db9ec37317559f3599487cc4b79f86d5_xlarge.jpg)
サーキットを激走するC63 AMGクーペ。カーボン製リアスポイラーや4本出しマフラーが迫力を増幅している。
■メルセデス・ベンツ C250クーペ(欧州仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4590×1770×1406mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1550kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1796cc
●最高出力:150kW<204ps>/5500rpm
●最大トルク:310Nm<31.6kgm>/2300-4300rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●EU総合燃費:14.3〜15.4km/L
●タイヤサイズ:225/45R17
■メルセデス・ベンツ C63 AMGクーペ(欧州仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4707×1795×1391mm
●ホイールベース:2765mm
●車両重量:1730kg
●エンジン種類:V8 DOHC
●排気量:6208cc
●最高出力:336kW<457ps>/6800rpm
●最大トルク:600Nm<61.2kgm>/5000rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●EU総合燃費:8.3km/L
●タイヤサイズ:前235/40ZR18、後255/35ZR18