三菱自動車(以下、三菱)のアウトランダーが9年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施した。新型は国内でプラグインハイブリッドモデル「アウトランダーPHEV」のみの登場となる。今回はプロトタイプモデルをサーキットで試乗して、その進化をチェックしてみた。(Motor Magazine2021年12月号より)

本領ではないサーキットを思い切り攻めることもできる

いざ走らせてみると、その進化が小さくないことを即座に感じ取れる。軽量化されたとはいえそれなりに重くて大柄な車体ながら、その走りはまさしく意のまま。サーキットを全開で攻めてもものともせず、応えてくれるのは大したものだ。極めてクイックでありながら安定していて、応答遅れを感じさせない俊敏な回頭性と、狙ったラインを正確にトレースしていける操縦性を兼ね備えていて、気持ち良く走ることができた。

むろん、それには三菱ならではの4WD技術「S-AWC」も効いている。とくにターマックモードを選択すると、新たにリアの左右輪間のトルク配分を実現したブレーキAYCのおかげもあって、面白いほどよく曲がる。

加えて、これまでにも増してボディ剛性が上がり、しっかりとした土台に支えられて足まわりが理想的な役目をこなしている感覚がある。ロールはそれなりに許容するものの、クルマがどのような状況にあるのかをつかみやすいので、不安に感じることもない。

画像: 前後モーターによる加速感は非常に強力。ハンドリングもとても軽快で楽しい。写真のグレードは「P(7人乗り)」。

前後モーターによる加速感は非常に強力。ハンドリングもとても軽快で楽しい。写真のグレードは「P(7人乗り)」。

動力性能も進化したことを直感する。ノーマルモードでもモータードライブならではの力強く滑らかな走りを実現していながら、パワーモードでの瞬発力がさらに高まり、パンチの効いた加速を味わうことができる。最近ではローンチモードを備えた激速系の電動駆動車が輸入車で増えているが、さすがにそこまでいかなくても、それに近い雰囲気を味わえるのも楽しみのひとつだ。さらに、アクセルペダルだけで加減速をコントロールできるワンペダルモードを備えたのも新しい。

ブレーキは電動ブースターの採用も効いてフィーリングに違和感もなく、ディスク径の拡大によりキャパシティが増していて、サーキットでも不安に感じることなく周回を重ねることができた。

本領ではないサーキットをこれほど思いっきり攻めて楽しめるとは想像をはるかに超えていた。第一印象は上々だ。いずれ一般道や高速道路を走っても、その進化のほどが小さくないことを、より深く思い知らされるに違いない。(文:岡本幸一郎/写真:井上雅行)

三菱 アウトランダーPHEV G(5人乗り) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:2050kg
●エンジン:直4 DOHC+2モーター
●総排気量:2359cc
●最高出力:98kW(133ps)/5000rpm
●最大トルク:195Nm/4300rpm
●モーター最高出力:前85kW/後100kW
●モーター最大トルク:前255Nm/後195Nm
●トランスミッション:-
●駆動方式:電気式4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・56L
●WLTCモード燃費:16.2km/L
●タイヤサイズ:255/45R20
●車両価格(税込):499万6200円

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