BMWで初めてとなるBEVの4WD
iX iDrive50は、フロントとリアをそれぞれ1基のモーターで駆動する四輪駆動モデルである。i3が1モーターのRWDだったので、BMWのBEVとしては初めての4WDモデルとなる。ちなみに、iXと同時期に導入されたiX3は1モーターのRWDである。
そしてパフォーマンスだが、iDrive50は前輪のモーターで最高出力190kW/最大トルク365Nmを発生、後輪を駆動するモーターで230kW/400Nmを発生し、システムトータルで385kW/765Nmを発生する。またリチウムイオン電池容量は303Ah、電力量消費率は190Wh/kmとなる。1回の充電での航続距離は650kmとなり、BMWで初めて航続距離650kmのBEVとなる。
ところで充電だが、最大150kWの急速充電器に対応し、10分間の充電で100kmの航続距離を伸ばすことができる。また普通充電は11kWでの充電を可能とし、7時間で0%から100%まで充電することができる。
ボディサイズは全長4955×全幅1965×全高1695mm、ホイールベースは3000mmとかなり大きい。車両重量も2530kgと重量級である。ちなみに3mというホイールベースは「3105mmのX7」と「2975mmのX6」のちょうど中間か、ややX6に近いものとなる。ただし、ボディはBEV専用に開発されている。iX3がX3とある程度共用されているのとは異なる部分である。
エクステリアではスリムな形状になったヘッドライトデザインが特徴的。さらにそのヘッドライトに合わせて、テールランプユニットも薄型デザインとなった。そして、もっとも目を引くのはキドニーグリル。X7のキドニーグリルを見たときにも、その大きさに驚いたが、iXはさらにその上を行った。BMWラインナップの中では最大だろう。X7は写真で見たときに大きなキドニーグリルに違和感を覚えたが、実際に見たときは「これはこれであり」だと感じられ、今では違和感もなく受け入れている。iXの大型キドニーグリルも見慣れるのか・・・。
ちなみに、その大きなグリルの裏側にはセンサー類があるので、たとえば雪などが付着してセンサー類が正常に作動しないことを防ぐため熱線が入れられている。こうした配慮もiX独特のものなのである。さらに、サイドミラーもこれまでのBMWモデルよりも後方に配置されているのも特徴である。これは前方の視界を少しでも確保するための工夫でもある。