トヨタ&ダイハツの人気コンパクトSUVライズ&ロッキーに、新開発の1.2L 直3自然吸気ユニットを採用した2種類の新たなパワートレーンが搭載された。優れた効率とコストパフォーマンスの高さが自慢の純ガソリンエンジン車と、エンジンで発電しながら電気モーターで走る低燃費志向のハイブリッド車が加わって、選択肢が一気に増えている。それは果たして「一粒で二度おいしい」バリエーション拡大と言えるのか。乗り比べることでそれぞれの魅力が伝わってきた。

EVらしさは薄めながら燃費性能は抜群

画像: 専用グリルと5穴のアルミホイール、リアドアおよびフロントフェンダー部に装着された「e-SMART HYBRID」のバッヂおよび青い縁取りのついたエンブレムなどを装備。ハイブリッドモデルとしての差別化はライズよりもロッキーの方が多彩だ。

専用グリルと5穴のアルミホイール、リアドアおよびフロントフェンダー部に装着された「e-SMART HYBRID」のバッヂおよび青い縁取りのついたエンブレムなどを装備。ハイブリッドモデルとしての差別化はライズよりもロッキーの方が多彩だ。

加速感そのものは確かに、十分に力強い。だがアクセルペダルの踏み込み量に合わせてエンジン回転数が寄り添うように高まっていく感覚は、電気モーターで走る醍醐味をややスポイルしているような気がした。

もっとも、ダイハツの開発陣はあえてそうした「EVらしさ」を追ってはいないようだ。あらゆる領域でもっとも効率よくエンジンの発電能力を活かせるように、リニアかつ最適な制御を行っているという。つまりは燃費ベストな領域を選んでいるからこそ、思った以上にエンジンが頻繁に稼働し、回転数も上がっていく、というロジックだ。

開発者によれば、そのおかげで、ことさらエコランを心がけなくても驚くような燃費計の数値が出せるらしい。クラストップレベルを謳うWLTCモード燃費は28.0km/L。1Lターボ比では約50%増し、1.2L純ガソリン仕様と比べても約35%優れている。なるほど確かに、そのアドバンテージはそうとう大きい。

適度な重さがコシのある走りにつながる

画像: ロッキー プレミアム G HEVは、メッキ加飾やレザー調の素材を使って「最上級感」をアピールしている。メーターはハイブリッド用の表示モードを備える。

ロッキー プレミアム G HEVは、メッキ加飾やレザー調の素材を使って「最上級感」をアピールしている。メーターはハイブリッド用の表示モードを備える。

ロッキーHEVの走行フィールでとりわけ好印象だったのが、コンパクトカーらしからぬしっかりした乗り味だった。グローバルクオリティを追求した独自のプラットフォーム「DNGA」は、クルマとしての質感を確かに高めている。

さらに、ハイブリッドモデルの車両重量は純ガソリンモデルよりもおよそ100kg重いのだけれど、その重さがかえって落ち着いた乗り心地につながっているようだ。オプションのパーキングアシストを装着するとEPS(電動パワーステアリング)の容量が大きくなることもあって、ハンドルの操作感までしっとり上質なものに感じられた。

パワフルなパワートレーンとコシのある走り味は、たとえばワインディングなどに持って行っても楽しめそうだ。エンジン音に関してはあらかじめわかっていれば、初めの印象ほどに強烈な「存在感」を感じることは少ないだろう。

なにより優れた燃費性能や充実の安全装備と相まって、「ロッキーPremium G HEV」はロングツーリングに最適な仕様と言えるかもしれない。

ちなみにハイブリッドモデルは荷室にAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントを備えており、非常時に給電を行うことができる。いざという時に心強い1台でもある。

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