2021年12月4日、ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」がデビューしてから4周年を迎えた。この4年で記録的な売上げを樹立し、全大陸でグローバルな成功をおさめたウルスをふり返ってみたい。

ランボルギーニ史上最大の人気を誇るモデルとなったウルス

フラッグシップのアヴェンタドール、その弟分たるウラカンというスーパースポーツカーのタッグに、ランボルギーニは第三のモデルとしてスーパーSUVのウルスを加えた。世界的なSUVブームは、日本では軽自動車から、そしてヨーロッパではプレミアムブランドまでSUVをカタログにラインアップするようになっていたが、ランボルギーニは新たに「スーパーSUV」というセグメントを切り拓き、パワー、パフォーマンス、ドライビングダイナミクス、デザイン、ラグジュアリー感、日常的な使い勝手の良さにおける基準を打ち立てた。

画像: ウルスは、世界中のどんな街にもよく似合う(写真はローマのコロッセオ)。

ウルスは、世界中のどんな街にもよく似合う(写真はローマのコロッセオ)。

そしてウルスの登場は、ランボルギーニ社最大の変革期の火ぶたを切った。ウルスが販売開始された2017年の売上げは10億0900万ユーロ(約1420億円)だったが、2018年には14億1500万ユーロ(約1840億円)に、2019年には18億1000万ユーロ(約2350億円)に、2020年はコロナ禍の影響があったものの16億1000万ユーロ(約2090億円)に達した。

世界総販売台数も、2019年には8205台(前年比+43%)と、ウルス発売前の同期比では2倍に達している。2021年末までに、世界各地に約1万6000台のウルスがデリバリーされ、発売後4年でランボルギーニ史上最大の人気を誇るモデルとなっている。販売先は5大陸すべてにおよび、ウルスオーナーの85%は初めてランボルギーニを購入した人だという。

つまり、「いつかはランボルギーニ!」と夢は描いていたものの、アヴェンタドールやウラカンのようなスーパースポーツカーは、経済的に所有できても実用面や乗りこなせないなどを理由に二の足を踏んでいた人も多かったようだ。でもウルスならOK!と、その登場を待ちかねていたのではないだろうか。この構図は、カイエンの登場で販売台数や売上げが増大した、かつてのポルシェとよく似ている。

ウルスの販売が好調なランボルギーニ社は、サンタアガタの生産拠点を8万平方メートルから16万平方メートルへと規模を2倍に拡大。さらに新たな施設とペイントショップを開設したほか、フィニッシュ部門、オフィスビル、テストコース、物流倉庫、第2のトリジェネレーション設備およびエネルギーハブも新設した。この変革の時期を支えるためランボルギーニ社は人材にも大きく投資し、4年間で700人以上の正社員を新たに雇用した。いまやウルスが、ランボルギーニ社を牽引しているのだ。

画像: 背の高いSUVながら、サーキット走行も問題なくこなすウルス。

背の高いSUVながら、サーキット走行も問題なくこなすウルス。

話をウルスに戻そう。最高出力650psと最大トルクを発生するV8ツインターボエンジンを搭載するウルスの、0→100km/h加速は3.6秒、最高速は305km/h。発売当初のボディカラーは16色だったが、現在で専用ペイントショップの創設と、カスタマイゼーションの新たなオプションを開発する「アド ペルソナム」部門により、45色以上をラインナップしている。

ストラーダ(一般道)/スポーツ(峠道)/コルサ(サーキット)/サッビア(砂地)/テラ(オフロード)/ネヴェ(雪道)と、6つのドライビングモードであらゆる地形に対応し、さらにEGOシステムでセットアップをフルカスタマイズできる。

その驚異的なパフォーマンスは、2021年3月にロシアのバイカル湖で開催された「デイズ・オブ・スピード」で最高速298km/h、0→1000mまでの平均速度114km/hという新記録を樹立した。また、同年にヒマラヤ山脈のインド側に位置するジャム・カシミール地方の峠、ウムリング・ラにおいて海抜5800mを超えた世界でもっとも標高の高い道路の走破も果たしている(タイトル画像)。

画像: ロシアのバイカル湖で開催された「デイズ・オブ・スピード」で新記録を樹立したウルス。

ロシアのバイカル湖で開催された「デイズ・オブ・スピード」で新記録を樹立したウルス。

こうしたパフォーマンスに裏付けされて、ウルスの人気はまだまだ続くことだろう。だが、ライバルメーカーも黙って指を加えて見ているわけではない。アストンマーティンも2019年(日本デビューは2020年)には初のスーパーSUV「DBX」を送り出し、フェラーリも「プロサングエ(イタリア語でサラブレッドを意味する)」という、名前だけが知れ渡っているスーパーSUVを開発中だという。世界的なSUVブームは、まだまだ終わりそうにない。(文:Webモーターマガジン編集部 篠原政明)

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