大きくなっても、やっぱり「シビック」だった
学生時代、サークルの先輩の初代シビック RSや友人の2代目シビック CX(どちらも中古)を乗り回したり、この仕事に就いてからはワンダーシビックのSiで伊豆や箱根のワインディングロードを駆け巡ったり、そしてタイプRやハイブリッドなど、シビックの歴代モデルは(たぶん)だいたい乗ってきた。
もっとも、フィットが登場してからは、かつてのシビックの位置にフィットがおさまり、シビックはアコード並みに、そしてアコードはレジェンド並みに、さらにレジェンドはもっと大きく・・・と、ホンダの乗用車は玉突き的にサイズアップしていった。「こんなに大きいクルマはシビックじゃない!」とも思いがちなのだが、これも時代の趨勢。世界的にライバルとなるゴルフやカローラだって、代が替わるたびに大きくなっているのだから。
さて、11代目となった新型シビックは、米国仕様では4ドアセダンもあるが日本仕様は5ドアハッチバックのみでデビュー。といっても、いわゆる2BOXスタイルではなく、6ライトのサイドビューは5ドアクーペに近い、なかなか流麗なもの。セダンのようにリアシートもしっかり実用性がありながら、ワゴン的にも使える。それでいながらスタイリッシュと、たしかにデザインは爽快さを感じさせてくれる。
コクピットに着くと、水平基調のインパネは視界が良く、パンチングメタルを採用してルーバーを隠したエアコンの吹き出し口がオシャレだ。試乗車は上級グレードのEXなので、プライムスムースとウルトラスエードのコンビシートや、プライムスムースを貼ったドア内張りなどのクオリティも高い。まさにインテリアも爽快さを感じさせる。まずはイグニッションをONにして、走り出そう。