百花繚乱とも表現したいさらに充実のスポーツカー
人気のSUVにも負けず劣らずのニューモデルラッシュとなりそうなのがスポーツカーだ。数あるスポーツカーブランドの中で、久しぶりにミッドシップスーパースポーツモデルを投入するのがマセラティ。「エンツォ フェラーリ」ベースのMC12以来、18年ぶりにデビューするのがMC20でカーボンモノコックを採用。
独自開発した3L V6ツインターボエンジンは、F1由来のプレチャンバー式燃焼室を量産車として初めて採用したことで注目されている。最高出力は630psだが、0→100km/h加速は2.9秒と、スーパースポーツカーの中でもトップクラスの速さだ。
スポーツカー界のもう1台の大物がメルセデスAMG SLである。まず注目されるのが、新型はメルセデス・ベンツのシリーズとして用意されるのではなく、AMG専用モデルとしてゼロから開発されている点。つまり、AMG GTやGT 4ドアクーペと同列で語られるべきモデルに生まれ変わったのである。
このため従来以上にスポーツ性能にこだわっており、ルーフはリトラクタブルハードトップから軽量なソフトトップへと変更。足まわりにはAMGモデルでお馴染みの最新デバイスがフル装備されるほか、4WDまで採用される。エンジンは4L V8ツインターボで、まずSL63とSL55がデビューするが、パワフルなPHEVも登場する予定だ。
ピュアスーパースポーツ系ではフェラーリ 296GTBとマクラーレン アルトゥーラの導入が楽しみだ。どちらもV6ツインターボエンジン搭載のPHEVであることが共通点で、この2台をきっかけにしてピュアスポーツの世界でもPHEV化が一気に加速しそうな気配である。
ミッドシップ化されて評価が急上昇したシボレー コルベットは、高性能仕様のZ06を追加。新型V8エンジンは最高出力670psを8400rpmで発生するという超高回転型だから楽しみだ。
マイナーチェンジを受けるアルピーヌA110は、新グレード「GT」を追加。これはA110の「アルピーヌシャシー」にA110Sの300psエンジンを積んだもので、グランドツーリズモスポーツクーペと位置づけられる。
アウディはランボルギーニ ウラカンEVO RWDに相当するR8パフォーマンスRWDを発売。そのランボルギーニでは、サーキット専用の限定モデルながら、カーボンモノコックに自然吸気V12エンジンをミッドシップする世界限定台のエッセンッツァSCV12の登場にも注目したい。(文:大谷達也)