2021年は日本においても各インポーターが相次いで新型BEVを投入し、一気に車種が増えた。今後はBEVを支える十分な充電インフラを国内でどう構築するかなど、本格普及に向けた動きに注目したい。(Motor Magazine2022年2月号より)

BEVのへの普及に向けた課題も鮮明に見えてきた

しかしこの先、真に地球温暖化の防止という効果を踏まえながらCO2排出量削減に本格的に取り組むためには、途上国への展開も念頭に置きつつ、前述のような弱点の解消に取り組まなければならないのは自明というもの。

例えば、いち早いタイミングで量販型のBEVを世に送り出しながら、現状では充電インフラが充実しているとは決して言うことはできず、しかも「急速」を謳いながらも古くから存在する規格の充電器では、最近の大容量バッテリーを積むモデルの充電には長時間を要して使い勝手の良くない日本では、すでに充電インフラの「陳腐化」が始まっているといった印象すらを受けるものでもある。

昨今ようやく話題として取り上げられるようになってきた印象を感じるが、いくらBEVが普及しても、そこに充電する電力そのものを火力で発電していたのでは、CO2排出量削減の効果は大幅に減少してしまうというその市場特有のいわゆる「エネルギーミックス」の問題も重要。そうした点では、実は従来からの純エンジン車以上に「市場を選ぶ」という言い方ができそうなのがBEVをはじめとする今のプラグインモデルでもあるのだ。

画像: プジョー e-208。電動化を見据えたプラットフォーム「CMP」を採用。ガソリン車の208と同じボディサイズと取り回し性能を持つ。走行性能は最高出力136ps、最大トルク260Nmとガソリン車を上まわる。50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電航続距離は380㎞を実現した。インテリアや操作系は208と共通なので、初めてBEVに乗る人でも違和感なく運転できる。ちなみにプジョーは、e-208の日本導入の2カ月後にe-2008を国内で発売。BEVの拡充に注力している。写真はGT。

プジョー e-208。電動化を見据えたプラットフォーム「CMP」を採用。ガソリン車の208と同じボディサイズと取り回し性能を持つ。走行性能は最高出力136ps、最大トルク260Nmとガソリン車を上まわる。50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電航続距離は380㎞を実現した。インテリアや操作系は208と共通なので、初めてBEVに乗る人でも違和感なく運転できる。ちなみにプジョーは、e-208の日本導入の2カ月後にe-2008を国内で発売。BEVの拡充に注力している。写真はGT。

そうしたことから、そんなプラグインモデルに対する適性というものをこれまで以上に綿密に検証する必要とともに、この先のBEVに対しては、これまでそのローンチには積極的とは言えなかったプレミアムブランド以外からのクルマが求められる時代になっていくこととなりそうだ。

となると、やはり現状ではリチウムイオンが主流を占める駆動用バッテリーの形態には、どうしてもいま一歩の技術革新が望まれるところ。しかし、それによって既存のBEVが一気に旧態化してしまえばその価値は大幅なダウンが避けられないだろうし、これまでの整備の手法が通用しないことになったりすれば、それもまた「骨の髄」までクルマを使い倒して行くという新興国での使われ方とは相容れないものとなってしまう。

そんなわけで、この先に向けてもBEVを取り巻く環境には、さまざまな課題と話題が発生することは間違いなし。それに対して、いかなる手腕をもってそうしたハードルをクリアして行くのかが、各メーカーに課せられた使命と言えるだろう。(文: 河村康彦)

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