2009年、1007、4007に続くプジョーの4ケタ数字モデルの第3弾「プジョー3008」が登場した。4ケタ数字モデルはプジョーの新たな方向性を示すといれたが、たしかに従来のプジョーデザインとは一線を画しSUVのテイストがちりばめられていた。ここでは欧州での販売開始を受けフランスで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年9月号より)

身体にフィットするシートで快適なドライブを実現

3008は乗り込んで、走り始めてからその美点に気づくことが多い。まず床から高めのドライビングポジションだが、ちょっと硬めのシートは形状が良く、フィット感も素晴らしい。クッション部もバックレストも高いところまでフィットする。そして骨格がしっかりしている感じで、コーナリング時に横Gがかかっても身体が崩れないのでよい。

これは後席でも似た感触だった。長時間のドライブでも快適だったし、身体を保持しやすいから疲れない。

試乗車は6速MT仕様。走り始めるために電気式パーキングブレーキを指でリリースすると、ブレーキが緩むのが少し遅い気がしたが、これはギアを入れて走り始めると自動的にリリースすることがあとでわかった。これとは別に4輪にブレーキが利くヒルスタートアシストは標準装備されている。

試乗車は1.6Lターボのガソリンエンジン仕様で、2人+軽い荷物には十分なトルク。レッドゾーンは6000rpmだが3000rpmも回せば流れをリードできる。

画像: 150psを発生するガソリン1.6Lターボエンジンには6速MTが組み合わされる。日本上陸の際は6速ATを予定。ヘッドアップディスプレイなども備わる。

150psを発生するガソリン1.6Lターボエンジンには6速MTが組み合わされる。日本上陸の際は6速ATを予定。ヘッドアップディスプレイなども備わる。

ハンドルは電動アシストタイプで、その例に漏れずやや軽めである。でもしっかりした感じは手に伝わってくるし、ハンドル操作に対して応答性は確実なので安心感は高い。高速走行時の安定感は高く、コーナリングでもドライバーの狙ったラインを走るのは容易だ。このフィーリングは背の高さを感じさせないもので、通常のセダンと同じフィールのドライビングを楽しめる。

あまりロールを感じなかったが、実はこれには仕掛けがあった。リアアクスルの左右のダンパーをつなげて、そこにもうひとつのダンパーを付けたのだ。乗り心地を確保したままコーナリングでのロールを抑えるものだ。これはKYB(カヤバ)サスペンション・ヨーロッパとのコラボレーションでできたダイナミックロールコントロールであるとの解説があったが、実はこれは、ヤマハ発動機がパテントを持つRIASである。

3008は見た目以上に運転しやすいクルマだった。フランス車というよりドイツ車的なしっかり感があるが、ストロークのたっぷりした乗り心地にはフランスらしさも感じる。

本国では月に1500台の販売予定が、立ち上がりの月は4000台も売れたそうだ。日本市場へは来年にも導入される予定である。(文:こもだきよし)

プジョー 3008 1.6 THP 150 主要諸元

●全長×全幅×全高:4365×1837×1639mm
●ホイールベース:2613mm
●車両重量:1459kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:110kW(150ps)/5800rpm
●最大トルク:240Nm/1400-3500rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
●EU総合燃費:13.5km/L
●タイヤサイズ:225/50R17
※EU準拠

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