本社、工場の脱炭素化など、かねてからSDGsに積極的だったランボルギーニ。プロダクツの電動化も一気に進むが、その伝統と哲学がブレることはない。ここではランボルギーニ ジャパン ブランドディレクターのダビデ・スフレコラ氏に、2022年に描く将来への展望を訊いた。
脱炭素に向けた3つのステージ。勇気ある選択がインパクトを生む
本誌 千葉知充(以下、MM) プレミアムなスーパーカーメーカーとして、SDGsにはどのように取り組んでいらっしゃるのでしょうか。
ダビデ・スフレコラ 氏(以下、スフレコラ) 近年、多くの自動車メーカーやたくさんの自動車ビジネスに関わる人たちが、SDGsを話題にしています。しかし私たちランボルギーニは、SDGsというアイコンが現在のように広く取りざたされるようになる前からすでに、積極的に低炭素化活動に取り組んできました。実際、サンタアガタ・ボロネーゼの本社工場などでは、カーボンニュートラル化が着々と進んでいます。
MM SDGsは、昨日今日に始めた活動ではない、ということですね。
スフレコラ そうです。ですからSDGsが自動車業界の至上命題だと言われても慌てません。もちろん、カーボンフットプリントというのは本社オフィスや工場が整えば、それで良い問題ではありません。ランボルギーニとしては、さらなる新戦略も打ち出しています。
私たちはその名称をイタリア語で「ディレッツィオーネ・コル・タウリ(牡牛座の中のいちばん輝く星の示す方向)」と名付けました。それは「CO2の排出量を減らすために私たちはこういう道を辿っていきます」という強い決意を表しています。明るく輝く星は目印にしやすいでしょう、というのがこの戦略の意図なんです。
MM 今後は、どのような展開が予定されていますか。
スフレコラ 2021年から2022年にかけて、自然吸気の内燃機関のみを搭載する最後のランボルギーニ、「アヴェンタドール ウルティメ」と、「ウラカンSTO」をリリースしました。それぞれに、今日に至るランボルギーニの歴史を支えてくれたV12ユニット、V10ユニットを搭載する最終進化形となります。
ICEの有終の美を飾る意味でも、最高のランボルギーニを投入します。ガソリンエンジン車の「ラストラン」を大いに讃えながら、その卒業をお祝いしましょう、という気持ちが込められているのです。
MM 「卒業」の先には、どのような展開が待っているのか、楽しみです。