これまでハイブリッド車を主軸に電動化モデルを展開してきたトヨタは、2021年10月29日に初の電気自動車「bZ4X」をワールドプレミア。その新型BEVの試乗会がクローズドコースで開催された。

効率をさらに高めたソーラールーフを用意される

4WDモデルは、スバルとのアライアンスを積極的に活用したも4WD協調制御技術が採用され、悪路やスノードライブなどの路面に合わせた走破性を持ち、そして信頼性を高める「Xモード」が搭載されている。他にもダウンヒルアシストの制御領域を拡張するグリップコントロールも採用されている。このあたりは、スバル ソルテラのパートで言及しているのでそちらも合わせてお読みいただければと思う。

バッテリー総電力量は71.4kWh。電池種類はリチウムイオン電池容量は20Ah、高エネルギー密度を持つ96個のセルが使われている。FWDモデルであればWLTCモードで約500kmの航続距離を確保する。

走りは、リニアでアクセルペダルの動きに即反応、意のまま感の強い加速フィール、低重心化により安定したスタビリティなどBEVらしいもので好印象だった。ワンペダルモードも用意され、その効果も体感できた。今回は、クローズドコースでの試乗ということもあり速度域も一般道を越えるものであったが、終始安定していた。とくに4WDモデルの走りは実に安定感あるものだった。四輪制御技術がすばらしく多少ラフな運転操作した程度では、何ごともなく前へ前へと進んで行くことが確認できた。

画像: 写真はアッパーグレードのFFモデル。車両重量は1920kg〜とされているが、軽快感は高い。

写真はアッパーグレードのFFモデル。車両重量は1920kg〜とされているが、軽快感は高い。

軽快感が強く、走りが楽しめたのはFWDモデルだった。こうしたサーキットでは、クルマを自分の腕で制御するという感覚が4WDよりも強く感じられた。4WD/FWDとも試乗したが、今回の試乗では、降雪地域では4WD、非降雪地域ではFWDがいいと感じられた。タイヤも20インチと18インチに試乗したが18インチでもbZ4Xのパフォーマンスを十分に受け止めてくれるものだった。

さらに今後追加導入が予定されている「ステアバイワイヤ」採用モデルでは、これまでにない新しい、未来感あふれる走行体験が味わえるはずである。このあたりは大いに期待したいところだ。

ところで、このbZ4Xにはソーラー充電システムは採用されている。プリウスPHVでも採用されているがそれよりも効率がさらにアップしているという。このソーラールーフでは1年間に1750km(名古屋市の日射データをもとに計算したシミュレーション値)相当分の発電が可能となるようだ。

ちなみにソーラールーフはオプション。もちろん、装備することで車両重量は増加する。装着メリットは太陽光を積極的に使いたい人、自然エネルギーでクルマを走らせたい人には興味をそそるものだろう。ただ年間1750km、つまり月平均145.8kmではそれだけで走るための十分な充電量を確保することはできないが、自然エネルギーで充電した電力で走っているときの気分は爽快だろう。(写真:井上雅行)

トヨタ bZ4X FWDモデル 主要諸元(日本仕様・車内測定値)

●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm(アンテナ含む)
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1920kg~ <2005kg〜>
●モーター:交流同期電動機
●フロントモーター最高出力:150kW <80kW>
●リアモーター最高出力:−kW <80kW>
●システム最高出力:150kW <160kW>
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●WLTCモード航続距離:500km前後 <460km前後>
●駆動方式:FWD <4WD>
●0→100km/h加速:8.4秒 <7.7秒>
●乗車定員:5名
※<>内は4WDモデル

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