量産モデルのデザインはほぼこのまま、というが・・・
SUVタイプの「eトロン」や4ドアスポーツタイプの「eトロンGT」、コンパクトSUVの「Q4 eトロン」など、BEV(電気自動車)を積極的に展開してきたアウディの電動化戦略は、2024年が大きな転換点になるかもしれない。その重要な年に登場するのが、今回エクステリアデザインと概要を公開された「A6アバント eトロン コンセプト(A6 Avant e-tron concept)」の量産モデルだ。
実はこのコンセプト、1年近く前の2021年4月に上海モーターショーで公開された「A6 eトロン コンセプト」のアバント(ステーションワゴン)版なので、フロントマスクに見覚えのある人もいるだろう。アウディのブランドアイコンとなっているシングルフレームグリルは、開口させずに電気自動車らしく盾のようなデザインで取り入れられている。黒く縁取りすることで「クローズドシングルフレームグリル」をさらに強調しているのだという。
その両脇にはドライブトレーンやバッテリー、ブレーキを冷却するためのエアインテークを備え、上にはデジタルマトリクスLEDフロントヘッドライトを配置する。ボディデザインはおよそ95%完成しているということなので、量産モデルもほぼこのままの形で登場するようだが、コンセプトである現段階においての超薄型なヘッドライトは、量産モデルでさらに細くなる可能性を残しているというから驚きである。
水平基調なフロントマスクの印象は、ボディサイド、そしてリアに目を移しても続く。とくにアバントになったことで、この印象をさらに強調されているように見える。なかでもガラス面の上をAピラーの付け根からルーフ後端のリアスポイラーにかけて走るアルミ調のラインを配置することで、アバントボディを長く、そして低く見せるトリックとしているのだ。
リアエンドのテールランプは横一文字のデザイン、そしてデジタルOLEDエレメントと3次元アーキテクチャーにより、夜間にはボディ全体のイメージが浮かび上がるようなライティングデザインを可能としている。いずれにしても従来のアウディモデルとは一線を画しながら、A6らしさを残した革新的デザインである。