新たなプジョーの紋章が輝く新生308
2013年のワールドプレミアで登場した2代目「プジョー308」が、9年の時を経て3代目へと進化。すでに欧州で販売が行われているが、いよいよ日本のマーケットにもその姿を現す運びとなった。
ラインナップは、従来どおりハッチバック(以下、HB)とステーションワゴン(以下、SW)の2バリエーションとなる。ただし、電気自動車やエンジン搭載車に対応したプラットフォーム「EMP2(Efficient Modular Platform 2)」を使用することで、ボディサイズはひと回り大きくなっている。
具体的には、新型HBが全長4420mm(従来比+145mm)×全幅1850mm(同+45mm)×全高1475mm(同+5mm)で、新型SWが全長4655mm(同+55mm)×全幅1850mm(同+45mm)×全高1485mm(同+10mm)。ホイールベースは、新型HBが2680mm(同+60mm)で新型SWが2730mm(同±0mm)となる。
エクステリアデザインは、新たなプジョーのエンブレムを配された大型のフロントグリルがまず目に入る。小さなドットを使って奥行き感を演出するデザインで、ADAS(先進運転支援システム)用のレーダーはエンブレムを透過するように背後へ配置される。エンブレムはグリルデザインのセンターピースの役目を担っており、レーダー波を阻害しないインジウムを使用する。
サイドから見ると、低く滑らかなノーズラインが全長を長く見せるとともに、大きく張り出したフロント&リアフェンダーが躍動的を演出している。そして、このフォルムは風洞実験の繰り返しの中で、エアロダイナミックスが徹底的に追及されている。リアを横切る特徴的なラインやルーフ上部のロングスポイラーもそのひとつだ。
デザインのアクセントとしては、3DフルLEDテクノロジーを採用(「GT」グレード)した3本のライオンのかぎ爪をイメージしたリアライトが、モダンなプジョーブランドならではのライトシグネチャーの表現となっている。
プジョー初のフルLEDアダプティブヘッドライトを採用
ボディ形状ごとに見ると、HBのホイールベースが従来モデルから60mm延長されたことで、伸びやかなシルエットを生み出すとともに、広い後席スペースの確保を実現している(先代比でニースペースは+30mm、ヘッドクリアランス向上のためリアシート着座位置は-20mm)。
一方のSWは、ゆったりと傾斜する独特なルーフラインに対して、サイドのウインドーラインを早く傾斜させることで、高い積載力を維持しながら、ダイナミックな印象を与える工夫がなされている。エアロダイナミックスでもHBを上回っているという。
とりわけ、SWのリアエンドのデザインは個性的で、立体的なラインやクロームの装飾が施されている。ボディサイズはHB比で全長+235mm、ホイールベース+50mm延長されており、伸びやかなフォルムと、後席および積載スペースの拡大に貢献している。
室内は、2列目シートバックが40:20:40の3分割可倒式で、2ポジションラゲッジフロアなどの採用と相まって、ラゲッジルームの使い勝手が大幅に向上している。ラゲッジスペース容量は5名乗車時で608L、後席を倒した2名乗車時で1634Lという数値は、同じくプジョーのSUV「3008」の520Lや、ミドルサイズワゴン「508SW」の530Lを大きく上回るものとなっている。
ヘッドライトにプジョー初の「プジョーマトリックスLEDテクノロジー」と呼ぶフルLEDアダプティブヘッドライトが搭載されたことにも注目だ。超薄型(約7cm)で、ロービームが4つのLEDで、ハイビームは20個のマトリックスモジュールで構成されている。
フロントガラス上部のカメラが検出した周囲のデータが、このマトリックスLEDを自動的に最適な明るさに調整し、他のドライバーを幻惑させることなく、ハイビームをオンの状態に保ってくれる。夜間の追い越し、対向車などが車両に接近した場合、ハイビームの一部がオフになり「シャドウトンネル」の形成も行う。