アウディのクロスオーバーBEV、eトロンスポーツバックに初の大幅改良が行われる。今回、そのプロトタイプによるウインターテストに参加した。この試乗ではあらゆる路面状況に適応する電動トルクベクタリング機構搭載のクワトロシステムの恩恵を感じることができた。(Motor Magazine 2022年5月号より)

電気モーターなら、トラクションとスタビリティの匙加減が自由自在

アウディの開発で運転特性を担当するカルステン・ヤブロノスキー氏によれば、電気モーターと内燃機関の違いは非常に明白であると説明する。前者はパワーコントロールが容易で、トラクションとスタビリティの確保、さらに前後アクスルへのトルク配分は状況に応じて柔軟に行うことができると自信たっぷりに発言をしていた。

画像: 電動クワトロシステムは、路面の状況や走行モードによって前後の駆動トルクを0~100%まで制御する。

電動クワトロシステムは、路面の状況や走行モードによって前後の駆動トルクを0~100%まで制御する。

今回の北極圏BEVドライブで改めて感じたのは、BEVがもうとっくにICE(内燃機関搭載車)を超えているという事実である。もし、何かが欠けているとしたらそれは氷上に響き渡るエンジンサウンドくらいだろう。

最後にeトロン Sスポーツバックでテストコースを離れ、一般道路でのツーリングを行った。ノーマルモードに切り替えてスタート。ここでは刻々と変わる路面状況でのさまざまなスピードにもかかわらず、すべての制御システムが自然に機能し、まるでドライ路面での走行感覚と変わりがなかった。

こうした極端な条件下でアウディをコントロールできることを体験すれば、他のどんな場合に陥っても落ち着いて安全なドライブが可能であるという自信を得るには絶好の機会であった。(文:アレキサンダー・オーステルン<キムラ・オフィス>/写真:アウディAG)

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