2009年2月、フィアット500ベースのオープンモデル「500C」が発表された。この年の7月には日本でも販売が開始されたが、Motor Magazine誌では日本上陸前にフィアットの地元イタリア・トリノで試乗している。ここではその試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年10月号より)

ソフトトップのルーフ部とリアハッチ部がスライド開閉

輸入車の新規登録台数が伸び悩んでいる中、前年比アップ率がダントツにいいブランドがある。

フィアットだ。もちろん、絶対台数ではドイツブランドに遠く及ばないが、今年(2009年)1〜7月の新規登録台数が対前年比で175%のアップと、信じられない数字をマークしている。そして、そのほとんどを占めるのが500である。

「大きなクルマが偉い」といった旧来の自動車ヒエラルキーから外れて、ダウンサイジングという時代の流れにうまく乗れたのも、その商品力、デザインからパフォーマンスまでが極めて高かったからにほかならない。MINIと直接のライバルでは決してないけれど、同じような存在であると言っていい。

画像: 全開にした状態。フルオープンではなく、ソフトトップのルーフ部とリアハッチ部が電動でスライド開閉する。この状態では後方視界が制限される。

全開にした状態。フルオープンではなく、ソフトトップのルーフ部とリアハッチ部が電動でスライド開閉する。この状態では後方視界が制限される。

そんな売れ行き好調の500がさらに勢いづくであろう、魅惑的なモデルが新たに加わった。リバイバルモデルにふさわしく、伝統に則って追加されたのは、コンバーチブルモデルの500Cだ。

もっとも、MINIとは違って、フルオープンモデルではない。ルーフ面とリアハッチ面がソフトトップ化されてスライド開閉するタイプで、スタイリングは500のサルーンとまったく同じに見える。ただし、フロントウインドスクリーンが上方に2.5cmほど引き上げられているため、ノーマルと真正面から見比べると、けっこう違って見える。

フルオープンモデルも検討したらしいが、500のアイコンはあくまでもスタイリングにありということで、この方式に落ち着いたという。チーフデザイナーのロベルト・ジョリートはCG画像まで披露しながらフルオープン状態の「つまらなさ」を力説していた。

「密閉感」がしっかり伝わるソフトトップ。荷室も犠牲にしていない

ソフトトップは2層構造で、リアウインドウはガラス。ハイマウントストップランプ付きのスポイラーがルーフ後端に備わっている。もちろん、電動開閉タイプ。ひと押しでルーフエンドまで開くタルガトップ状態となり、もうひと押しでトランクリッド上方まで下がる。

閉める場合はその逆の動作になるが、安全のため閉まる25cm手前で一度ストップする。もうひと押しで完全に閉まるが、壊れるんじゃないかと心配になるほどキッチリと、ミシミシミシと音をたてながら閉まってくれる。

画像: ソフトトップは2層構造で、リアウインドウはデフロスター機能付きのガラス製。ハイマウントストップランプはソフトトップに組み込まれる。

ソフトトップは2層構造で、リアウインドウはデフロスター機能付きのガラス製。ハイマウントストップランプはソフトトップに組み込まれる。

ラゲッジスペースの犠牲を最小限に抑えていることも特徴だ。トランクフードはほぼ垂直に上がる。フードが開いている場合、トップを閉めることはできるが、開けることは不可。また、全開にした状態でフードを開ける操作をすると、自動的にソフトトップが動きだし、タルガトップ状態まで戻る仕組みだ。ちなみに、走行時の開閉に関しては、タルガトップ状態まででよければ全速度域で、フルの場合は60km/h以下で、それぞれ可能である。

すでに日本市場でも7月から予約注文を受け付けており、1.2Lと1.4Lの2グレード(いずれも2ペダルセミMTのデュアロジック仕様/右ハンドル)と、50台限定の1.4ラウンジSSというローンチ記念特別仕様車が用意されている。サルーンにおよそ+40万円という値付けは、オープンカーだとしても少々割高に思えるが、はたして、その差を埋めるに十分なベネフィットを感じることができたかどうか。

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