「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ SLKだ。

スポーツに固執しないメルセデスらしさがいい

画像: 航空機のウイング風のダッシュボード、メタル仕上げのエアコン吹き出し口など、最近のメルセデス トレンドでまとめられたインテリア。

航空機のウイング風のダッシュボード、メタル仕上げのエアコン吹き出し口など、最近のメルセデス トレンドでまとめられたインテリア。

そして新型SLKの洒脱なデザインは、その走り味を見事に表現している。ひとことで言えば「ラク」。ロードスターだけれどスポーツ一辺倒ではなく、適度にラグジュアリーだから、乗っていてすごく体がラクなのだ。

つまり、BMW Z4ほどタイトではないから室内はそこそこ広くてゆったり過ごせるし、アウディ TTロードスターよりはガラス面が多いせいか、全方位的視界がいい、といった印象になるのだが、移動手段としても適した貴重なロードスターというのがしっくりくるかもしれない。

この手のクルマにしては、という注釈こそつくものの、小物入れも多めだし、ラゲッジスペースも355Lに拡大された。いい意味で尖がり過ぎないところに、さすがメルセデスの作るロードスターだなと、改めて頷かされる。とはいえ、これだけラクに乗れるのはボディがしっかりしているからなのは言うまでもない。

「新」と言えば、パワートレーンもSLK200ではCクラスでお馴染みの1.8L 直4ターボを搭載。SLK350に搭載される3.5LのV6エンジンも「新」の字がつく。価格的に手が届きやすい1.8Lターボは出足がおとなしく、すごく速い!という感じではないが、乗り心地とのバランスを考えるとベストマッチな仕上がりだ。

ちなみにオープン状態で乗っている方が、足まわりやボディの変な突っ張り感も伝わりにくい。男性はもちろん、ぜひ女性にもカッコよく乗りこなしてもらいたいクルマだ。

画像: クローズドのスタイルも美しい。ルーフの濃淡をスイッチひとつで変えられる「マジックスカイコントロール」もオプション設定。

クローズドのスタイルも美しい。ルーフの濃淡をスイッチひとつで変えられる「マジックスカイコントロール」もオプション設定。

■メルセデス・ベンツ SLK200 ブルーエフィシェンシー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4145×1845×1305mm
●ホイールベース:2430mm
●車両重量:1440kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1795cc
●最高出力:135kW(184ps)/5250rpm
●最大トルク:270Nm(27.5kgm)/1800-4600rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●JC08モード燃費:11.4km/L
●タイヤサイズ:前225/45R17、後245/40R17
●当時の車両価格(税込):580万円

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