2009年4月、911、ボクスター/ケイマン、カイエンに続くポルシェ第4のモデル「パナメーラ」がワールドデビューを果たした。グレードは、4.8L V8エンジン(400ps)搭載の「パナメーラ S/4S」と、同ターボエンジンを搭載する「パナメーラ ターボ」(500ps)の3モデル。Motor Magazine誌では日本上陸を待ちきれず、ドイツ本国でパナメーラ ターボの試乗テストを行っている。ここではその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年11月号より)

グランドツーリングの新境地を開く、巧みなダンピング制御

この燃費の良さは、市街地走行時の自動アイドリングストップ機能も一役買っている。フランクフルトの市内を走行していると、頻繁に自動アイドリングストップが働く。ブレーキペダルを緩めていくと、すぐに自動スタートするから自動アイドリングストップが邪魔に感じることはない。これは日本でも役立つだろう。

画像: 中央に回転計を備えたパナメーラターボの5連メーター。回転計の中にはデジタル式の速度計やシフトインジケータも備わる。7速のPDKを採用するが、通常は2速での発進となる。

中央に回転計を備えたパナメーラターボの5連メーター。回転計の中にはデジタル式の速度計やシフトインジケータも備わる。7速のPDKを採用するが、通常は2速での発進となる。

ただし自動アイドリングストップから再始動するときは、アクセルペダルをいつもより丁寧に踏んだ方がいい。普段よりクラッチの繋ぎ方が急になるからだ。これは初期ロットの広報車だからかもしれない。

走行中とても便利だなと思ったのが、ステアリングスイッチひとつで切り替えられるマルチインフォメーションディスプレイだ。ダッシュボード中央にモニター画面があるが、その子画面の役目も果たす。ナビ画面はノースアップ、ヘディングアップ、3D、さらにそれらの縮尺も変えられる。ナビの行き先案内を矢印表示することもできる。ただしこれは日本仕様では付かないそうだ。その他のオンボードコンピュータのデータ、電話、オーディオ情報、ACC情報などは本国と同じように付くはずだ。

パナメーラターボの大きな美点は長距離ドライブでも疲れないことだろう。市街地走行もアウトバーンでも乗り心地が良いことは4座高級車として合格だ。ダンパーの切り替えスイッチを「コンフォート」にするとゆっくりした揺れになるが、ややダンピングが緩くなりタイヤの重さを感じるから、ボクは「スポーツ」がオールマイティで好きだ。

快適なのはシートの良さも挙げられる。背中をシートバックに付けてハンドルを前に強く押しても、フレームがしっかりしているからシートはビクともしない。適度なサポート感を保ちながら、がっちりと身体を支えてくれるのだ。後席もがっちりと身体を支えてくれるから、4人が同じ状態でドライブができる。

ポルシェはパナメーラで、4シータースポーツカーという新しいジャンルを創ることに成功したようだ。(文:こもだきよし/写真:丸山和敏)

ポルシェ パナメーラ ターボ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4970×1931×1418mm
●ホイールベース:2920mm
●車両重量:1970kg
●エンジン:V8DOHCターボ
●排気量:4806cc
●最高出力:368kW(500ps)/6000rpm
●最大トルク:700Nm/2250-4500rpm
●トランスミッション:7速DCT(PDK)
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:前255/45ZR19、後285/40ZR19
●EU総合燃費:8.2km/L
※EU準拠
※スポーツクロノパッケージ・プラスのオーバーブースト時の最大トルクは770Nm

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