スタイリッシュさと扱いやすいサイズを両立したボディとスバルが培ってきた信頼性の高い走行システムで好評を得てきたXV。初代の誕生から10年、現行型の登場から5年が経った今もなお人気が高い。その理由を探るべく、XVとともにドライブに出た。(Motor Magazine 2022年7月号より)

おすすめのパワーユニットは、走りがいいハイブリッドの「e-BOXER」

パワートレーンは2タイプを設定。1.6Lのコスパも魅力だが、マルチに使うなら2L自然吸気+モーターの「e-BOXER」が本命だ。エンジンが主体でモーターがアシストを行うパラレル方式だが、モーターはどちらかと言えばドライビングファン向上に活用されている。

SIドライブのモードで走りの特性が異なり、「I」は実用域で背中を押してくれるような自然なアシスト、「S」は実用域で電動ターボのような力強さを感じる乗り味を持つ。

フットワークは、最低地上高が200mmあるクルマに乗っている感覚は皆無で、ハンドリングに関しては「目線の高いインプレッサ」だ。過去にフロントクロスメンバー/リアサブフレームの剛性バランスのビルドアップ(2019年に改良)とサスペンションの最適化(2020年に改良)などの熟成が行われた。

その走りはバッテリー搭載による重量増を感じさせない軽快なクルマの動きと、逆に重量増を活かしたシットリした足の動きから来る「芯があるのに優しい乗り心地」が見事にバランスしている。

ただ、そこで終わらないのがXVの凄さで、最低地上高200mmとX-MODEを活用した悪路走破性能はクロカンSUV顔負けの実力だ。このクラスの多くは都市型クロスオーバーだが、それらとは一線を画するレベルなのだ。

画像: インパネにもステッチが入っている。計器類やモニターは高い位置に、操作系を手元に配置するのはスバルの伝統である。

インパネにもステッチが入っている。計器類やモニターは高い位置に、操作系を手元に配置するのはスバルの伝統である。

XVが属するセグメントのクロスオーバーSUVは各メーカーの実力派が集まる激戦区だが、オンロード/オフロードの走りのバランスは、XVが世界トップレベルの性能だと思っている。

運転支援デバイスも抜かりなしで、アイサイト ツーリングアシストを全車に標準装備。非搭載車に比べて追突事故発生率は84%減少というデータが示す安全性の高さは言うまでもないが、ACCやステアリング支援はまるで上手なドライバーが運転しているかのように滑らかで、違和感のない制御も性能のひとつと言えるだろう。

そろそろ結論に行こう。現行型が登場してから時が経つが、その実力はまったく色褪せていない。新型車が出ると話題はそちらに移るのは当然だが、本当の実力は「デビューから時が経った時にどうか?」だと考えている。

つまり、リアルワールドで生き残るのは「本質」を評価されたクルマであり、XVが今でも安定したセールスを記録している理由は、そういうことなのである。(文:山本シンヤ/写真:井上雅行)

10周年を記念した特別仕様車「スバル XV アドバンス スタイル エディション」

今回試乗に連れ出したのはXVの誕生10周年を記念して用意された、「Advance Style Edition」だ。ダークガンメタリックに塗装された18インチアルミホイール、グレーメタリックに塗装されたフロントグリル、ドアミラーなどを装備。さらにスバルリヤビークルディテクション(後側方軽快支援システム)とフロント&サイドビューモニターも標準装備される。

画像: グレーメタリックに塗装されたフロントグリルやドアミラーなどを装備。

グレーメタリックに塗装されたフロントグリルやドアミラーなどを装備。

スバル XV アドバンス スタイルエディション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4485×1800×1575mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1550kg
●エンジン:水平対向4気筒 DOHC+モーター
●総排気量:1995cc
●最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
●最大トルク:188Nm/4000rpm
●モーター最高出力:10kW(13.6ps)
●モーター最大トルク:65Nm
●トランスミッション:CVT(マニュアルモード付リニアトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・48L
●WLTCモード燃費:15.0km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):291万5000円

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