「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ポルシェ パナメーラ ターボSだ。

ポルシェ パナメーラ ターボS(2011年:車種追加)

ポルシェのフラッグシップ サルーン、パナメーラに新たなトップグレード「ターボS」が追加設定された。日本導入を前に本国ドイツで試乗することができたので、まずはファーストインプレッションをお届けしよう。

画像: 前後異サイズの20インチタイヤとワイド化されたリアトレッドで、外観の迫力を増幅している。

前後異サイズの20インチタイヤとワイド化されたリアトレッドで、外観の迫力を増幅している。

いったい「普通のターボ」で、どんな不満があるのだろうか・・・?と、思わずそんなコメントをしたくもなるのが、パナメーラのターボSだ。「S」の名が付く最新ポルシェ車がベース車両を上回る走りのポテンシャルの持ち主というのは、すでに911をはじめカイエンやボクスター/ケイマンでも明らかな約束事。

それにしても、フル4シーターのサルーンでありながら、すでに最高出力500psものハイパワーユニットが搭載され、300km/hを上回る最高速も達成していたのがパナメーラ ターボだったのだ。「それを上回るポテンシャル」というのはどれほどのものなのかと、誰だってそう思っているに違いない。

まず、数字で示せる答えを挙げるとすれば、それは「50psと50Nmというエンジン出力/トルクのアップと、3km/hという最高速の上乗せに、コンマ2秒という0→100km/h加速タイムの短縮」だ。一方、車両価格は普通のターボの2086万円(税込)に対し、ターボSは2481万円! どっちにしても一生関係なさそうなお値段・・・と呟きたくなる気持ちもわからないではないが、「400万円近くも違うのに、性能アップはそれだけなのか」と言う声も聞こえてきそうな内容だ。

確かに、アクセルペダルをフルに踏みつけて加速する限りの差というのは、前出のように「たったのそれだけ」と表現できなくもない。しかしどうやら、ターボとターボSの走りのポテンシャルの違いというのは、むしろワインディングロードでこそ明確になりそうだ。

実は、チタン/アルミ合金製タービンホイールを用いた専用ハイプレッシャー ターボを採用し、前述の50psアップを獲得したパワーユニットを搭載するターボSには、アクティブ スタビライザーを用いたシャシである「PDCC(ポルシェ ダイナミック シャシ コントロール)」やトルクベクタリング機構、20インチのタイヤ&ホイールなど、ベース車両のターボではオプション設定とされる高価なオプション群をすべて標準装備している。ブラック/クリームやアゲートグレー/クリームという専用色も含んだ2トーンカラーのレザーインテリアも、やはりこちらでは標準採用される。

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