トヨタ初の電気自動車「bZ4X」は、BEV専用のプラットフォーム、「e-TNGA」が採用され、最適なパッケージングを実現している。(Motor Magazine 2022年8月号より)

ドライバビリティの高さに好印象

トヨタからついに登場した量販BEVのbZ4Xは、ご存知のとおりスバルとの共同開発で生み出された。全長4690mmに対してホイールベースは2850mmと長く、全高は1650mmとSUVとしては低めのプロポーションはスポーティ。大胆に使われた樹脂製の前後フェンダーなども相まって、先進的性とタフな印象もうまく両立させたデザインは秀逸だ。

画像: センターコンソールにはダイヤル式シフトを配置する。BEVならではの広々とした室内空間を実現。

センターコンソールにはダイヤル式シフトを配置する。BEVならではの広々とした室内空間を実現。

インテリアは、ステアリングホイールの上から見るトップマウントメーターを採用。コネクティッドナビや音声操作機能、スマートフォンで施錠・解錠からクルマの起動まで行えるデジタルキーなど、見た目だけでなく装備も先進的で、デジタルネイティブ世代にアピールしそうだ。

FWDと4WDが用意されるうち、今回の試乗車は1モーターのFWDだった。最高出力は150kW(204ps)である。

感心させられたのはドライバビリティの高さだ。アクセルペダル操作に対して唐突にトルクが立ち上がったりといったことがなく、スムーズかつ力強く走る。アクセルペダル操作だけで走る、いわゆるワンペダルドライブも可能だが、こちらも高速域までギクシャク感のないドライブを可能にしているのは、BEVとしては初出と考えれば、上々と言っていい。

画像: 小型化されている電力供給ユニット(ECU)をフロントに搭載。これは車両の軽量化にも貢献する。

小型化されている電力供給ユニット(ECU)をフロントに搭載。これは車両の軽量化にも貢献する。

一方、フットワークは軽快な反応が心地いい反面、車体が上下に常に煽られる乗り心地に閉口させられた。4WDモデルより85kg軽い車重に対してセッティングが決まっていないようだ。また、ロードノイズなど騒音が結構車内に入ってきてしまうのも要改善と言える。トノカバーがあるだけでずいぶん違うのでは? せっかくのBEV、ここは重要である。

最初に量販BEVと書いたが、bZ4XはKINTOでのサブスクリプション販売だけとなるのも特徴だ。クルマづくりも新しければ、売り方、ユーザーとのコミュニケーション手段も新しいこのクルマは、トヨタにとって未来に向けての大きな布石となりそうである。(文:島下泰久/写真:永元秀和)

トヨタbZ4X Z主要諸元

●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1920kg
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:150kW(230.9ps)
●モーター最大トルク:266Nm
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●WLTCモード航続距離:559km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:235/60R18
●車両価格(税込):600万円

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