「ATTO 3」ってぶっちゃけどんな感じ?(実用編)
続いて、実用性のチェックです。センターコンソールには、エアコン吹き出し口のすぐ下に15Wの急速充電対応のQi充電(ワイヤレス充電)トレーを備え、スマホをさっと置くだけで気軽に充電できます。その下を覗き込むとUSB タイプAの差込口が2つあり、さらに後席にも用意されているのでスマホの使用環境としては十分です。
ダッシュボード中央にあるディスプレイは、ハンドルにあるボタンで縦画面モードと横画面モードを選択でき、ディスプレイ自体をくるりと回転させて表示の切り替えを行う斬新なスタイルです。ちなみに、画面を2分割して使うことができるので、左半分で地図画面を表示し、右半分にクルマの状況を表示させるといったことができます。
気になるApple CarPlayとAndoroid Autoは試乗車(オーストラリア仕様車)では未対応でした。日本導入時にはぜひ対応させてほしいものです。また、試乗車は右にウインカーレバー、左にワイパーレバーを配置していて、この仕様のまま市販されるのであれば、輸入車には珍しくしっかりとローカライズされた、日本車と同じ感覚で乗ることができるというメリットも魅力になると思います。
「ATTO 3」ってぶっちゃけどんな感じ?(乗り心地・その他編)
乗り心地はとても良く、路面の段差ショックをあまり感じさせないものでした。少なくとも街乗りでは快適です。また、助手席に座った際に、座席を目一杯さげてみたところ、身長180cmの筆者が足を伸ばし切ってもまだ余裕あるほどの広さで、しっかりとした座り心地のシートと相まってとても快適に過ごせると思います。
回生ブレーキの効き具合を二段階で調整できますが、強いモードを選択しても想像よりもかなりマイルドな効き具合でした。強くアクセルペダルを踏み込んでからのブレーキングだと、それに合わせて強く回生ブレーキを効かせるようになっているとのことでしたが、正直そこまでの変化はしません。やはり、あえて弱めの制動に設定して、あくまでも自然なクルマの動きにすることで、乗り心地を優先しているのでしょう。
低速走行時には、独特のヒューンという音が継続して聞こえました。こうした音は、静粛性にこだわって作られた「日産 サクラ」に試乗した際にもうっすら聞こえたため、ガソリン車と比較し静粛性が高い電気自動車であるがゆえに、ロードノイズが聞こえにくい低速走行時に、モーターの振動が車内に音として伝わってきているのではないでしょうか。つまり、電気自動車特有の現象なのだと思います。それにしても、このクルマの場合、気になる音が結構な音量で聞こえてくるので、今後の改良に期待したいところです。
最後にひとこと
BYDのクルマは、嬉しいことにコンベンショナルなディーラー経由、対人による販売形式をとられ、アフターサービスもしっかりと行ってくれるそうなので、2023年1月に販売開始されたらぜひ試乗してみてください。中国製BEV「ATTO 3」、普段使いにはなかなかいいクルマだと思いますよ。
■BYD ATTO 3 主要諸元(参考:シンガポール仕様車)
●全長×全幅×全高:4455×1875×1615mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:1750kg
●パワートレーン:電気モーター
●モーター最高出力:150kW
●モーター最大トルク:310Nm
●駆動方式:FWD
●バッテリー容量:60.5kWh
●一充電航続距離:480km
●タイヤサイズ:215/55R18
●最高速度:160km/h
●0→100km/h加速:7.3秒