「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、MINI クーペだ。

MINI クーペ(2011年:ニューモデル)

画像: ハッチバックより車高は50mm低く、フロントウインドーは13度寝かされている。

ハッチバックより車高は50mm低く、フロントウインドーは13度寝かされている。

MINIがまたまた増殖した。5番目のバリエーション、クーペの登場だ。クラブマンのフルモデルチェンジが先か? などと予想されていたのだが、このクーペのほうが思ったよりデビューが早かった。このぶんだと、ウワサされているロードスター(スパイダー)が先に登場する可能性も高そうだ。(編集部註:MINI ロードスターは2012年1月に発表された)

などと先の予想をしたくなるのは、MINIのモデルはシリーズとしての共通項は多いものの、それぞれ強い個性があって、それがまた遊び心があって可愛いので、登場が待たれるからだ。MINIやiMacのように、世界中の人がキュンとくるデザインには、何か共通のものが感じられる。

しかもMINIの場合、既存のパーツをうまく流用しながら、モデルごとに独自のスタイリングを作り出してるのがうまいところ。今回のクーペも、運転席まわりのインテリアは、ほぼハッチバックと変わらない。ところが、Aピラーが13度寝かされていることによって、目に映る景色はずいぶん違う。クーペのデザインでいちばん大きく違うのは、このAピラーと50mm低い車高だ。

これにコンセプトカーで登場したときよりはずいぶん普通っぽくなったとはいえ、自転車のヘルメットを被ったような奇抜なルーフに、MINIとしては初めて採用されるアクティブ リアスポイラーを装着。これは車速が80km/hを超えると上昇、60km/hを下回ると自動的に収納されるようになっているが、手動で上げることも可能だ。

また、パッケージング&ユーティリティ的にいちばん違うのは、MINI初のふたり乗りということ。そして、その割り切りが功を奏して生まれた280Lのラゲッジスペース。シートの後ろにもけっこう荷物が入るし、トランクスルーの開口部も大きめだから、かなり自由度が高く使える。ゲートが重いのがタマにキズだけど、ハッチバックに4人乗車で出かけることもあまりないだろうから、走りにこだわる人以外でも、この選択はありだろう。

This article is a sponsored article by
''.