296GTBに続きV6ツインターボエンジン+モーターを搭載するPHEV、296GTSを日本へ導入したフェラーリ。しかしその動きはとどまるところを知らない。なんとこれからの4年間で15のニューモデルを市場へ投入、その先鋒は、ブランド初のSUVであるプロサングエだと噂されている。フェラーリのSUV・・・早く見てみたい。(Motor Magazine 2022年9月号より)

2026年には電動化モデルが全販売台数の60%

296GTBのスパイダー版「296GTS」が日本上陸を果たした。そのお披露目が行われたのは、フェラーリレーシングデイズ(FRD)が開催中の鈴鹿サーキットで、複数に分けて実施された発表会には、メディア関係者やFRD参加者など、のべ1000人以上が足を運んだとされる。

画像: フェラーリ296GTS。エキゾーストパイプはリア中央から1本出し。リアフェンダー部は250LMを彷彿とさせる。

フェラーリ296GTS。エキゾーストパイプはリア中央から1本出し。リアフェンダー部は250LMを彷彿とさせる。

V6ツインターボエンジンをミッドシップに配置するPHEVである点は296GTSも296GTBと同じ。その美しいスタイリングを損なうことなく、リトラクタブルハードトップを搭載する点がスパイダーの最大の特徴となる。なお、ルーフの開閉に要する時間は14秒で、45km/hまでであれば走行中も開閉が可能。

296GTSの0→200km/h加速はクーペよりコンマ秒遅い7.6秒となるが、それ以外の最高速度や0→100km/h加速などはクーペと同じ発表値となっている。

「プロサングエ」を皮切りに4年間で15種類のニューモデルを投入

それにしても、これほど早いタイミングでスパイダーを投入した理由は、どこにあったのか?私が聞いた話では、296GTBは実質上、すでに完売状態にあり、これに代わるニューモデルが必要だったという事情がある模様。また、F8スパイダーの登場から2年が経過していたことも、296GTSを求める声が高まったひとつの要因だったという。

画像: フェラーリ296GTS。エンジンのスペックは296GTBと同じだが、オープン化にともない車両重量(乾燥重量)は70kg増えている。

フェラーリ296GTS。エンジンのスペックは296GTBと同じだが、オープン化にともない車両重量(乾燥重量)は70kg増えている。

では、今後のフェラーリはどうなっていくのか?ひとつだけ間違いないのは、彼らが確実な成長を目指している点にある。

これを実現するため、2023年からの4年間で合計15のニューモデルを投入。その先駆けとなるのが、今年9月に発表される初のSUV「プロサングエ」である。もっとも、他のラグジュアリーブランドのようにSUVの販売台数が過半数となるような状況は期待しておらず、全体に占める比率は20%以下に抑えるという。

このほか、電動化も積極的に推し進め、2026年にはハイブリッドとBEV(!)で全販売台数の60%を構成する計画である。(文:大谷達也/写真:フェラーリジャパン)

フェラーリ296GTS主要諸元

全長×全幅×全高:4565×1958×1191mm
ホイールベース:2600mm
乾燥重量:1540kg
エンジン種類:V6DOHCツインターボ+モーター
総排気量:2992cc
最高出力:610kW(830ps)/8000rpm
最大トルク:740Nm/6250rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:MR

This article is a sponsored article by
''.