2023年に登場するアヴェンタドールの後継モデルを皮切りに、ランボルギーニもいよいよ電動化を進める。スペインのヴァレンシアサーキットで行われたウラカン テクニカの試乗会で、ステファン・ヴィンケルマンCEOにインタビューする機会を得た。そこでランボルギーニのいまと今後について聞くことができた。(Motor Magazine2022年10月号より)
BEVはGTカーで登場。合成燃料にもチャレンジ
では、2020年代後半に登場することが予告されたBEVの開発状況はいかなるものなのか?
「私たちの4番目のモデルとなるBEVは、すでに申し上げているとおりピュアスポーツではなく、2+2のGTカーとなります。これにウルスのBEVが追随しますが、現在はそれらのターゲットを策定しているところで、本格的な開発はまだ始まっていません」
その一方でシンセティックフューエルの動向は注視しているとも語った。現在研究中のシンセティックフューエルは、大気中のCO2を合成して生成するもので、カーボンニュートラルを実現する液体燃料として注目されている。
「実現は困難かもしれませんが、もしもシンセティックフューエルが実用化されれば内燃機関が生き続けられることになります。現時点ではまだ方針を決めていないものの、その可能性を私たちは排除していません」
いずれにせよ、ランボルギーニは今後も顧客に夢を与えるブランドであり続けると、ヴィンケルマンCEOは約束してくれた。
「今後、地球を取り巻く環境は大きく変わり、それにあわせて法律も変化するでしょう。私たちは、それに対応しなければビジネスを続けていけません。一方で、ランボルギーニが生活に必要だから買っているというお客さまはいないはずです。いつか手に入れたい・・・。ランボルギーニは、そんな夢の存在です。私たちは、ランボルギーニが夢の存在であり続けられるように、今後の方針を決めていくつもりです」(文:大谷達也/写真:アウトモビリ ランボルギーニ S.p.A)