このモデルが本当に登場するとは、ちょっと予想外のハプニングにも思えるほど。てっきりプロトタイプだけかと捉えていたが、実はきっちりと商品化が進められていた。乗用(プロ)と商用(カーゴ)とあり、もちろん試乗したのは乗用仕様の5シーターモデルだ。(Motor Magazine 2022年11月号より)

航続距離423kmと公表。意外に小回りも効く

コペンハーゲンでの試乗会場に並んだ台のID.BUZZはボディ上部が白で、その下半分を色とりどりのカラーに塗り分けられた2トーンで、モダンで愛らしいたたずまいを見せていた。

画像: 往時のタイプIIバス(左)と最新のID.BUZZ。昔のモデルがいかにコンパクトだったのか、ということもよくわかる。

往時のタイプIIバス(左)と最新のID.BUZZ。昔のモデルがいかにコンパクトだったのか、ということもよくわかる。

昔のミニバスをモチーフにしたワンボックスデザインだが、クラッシュ要件の確保と補器類のために、フロントには短いノーズが突き出ている。用意されたモデルは乗用スタンダードボディで全長は4.71m、ホイールベース2.99mで左右スライディングドアと大きなハッチゲートを持つ。キャビンは2列シートで5人乗り、大きく跳ね上がるリアゲートの後部には積載容量1121Lの大きなトランクスペースがある。

フロアは二重構造で、下に充電ケーブルを収納できる引き出しがあり、さらにリアシートのバックレストを倒すと上面は畳2枚くらいの広さの平らなフロアとなる。また敷居は623mmと低いので、荷物の積み下ろしは非常に楽だ。

見晴らしの良いドライバーシートに座ると正面にはコクピットモニター、そしてダッシュボード中央にはインチのタッチパッドスクリーンがある。一見するとID.シリーズと同じだが、ドライブセレクターがメーターパネルから伸びたサテライト状のスイッチに代わってステアリングコラムから伸びたレバーになり、視認性も良く、かつ使いやすくなった。

インテリアの仕上げ品質は高いレベルで、ルーフの内張りなどにリサイクル素材が使われているが全体的に安っぽさはない。ただしフロントシートの背後にあるピクニックテーブルの建付けには改善の余地がある。

画像: 優れた視界の運転席。デザインも簡潔で好ましい印象だ。ボディカラーと各部はカラフルな色が用意される。

優れた視界の運転席。デザインも簡潔で好ましい印象だ。ボディカラーと各部はカラフルな色が用意される。

This article is a sponsored article by
''.