2022年10月18日、ロールス・ロイスが初のBEV「スペクター(Spectre)」を発表した。2023年第4四半期に納車開始される予定。

創業者の予言を成就するBEVは「スペクター(亡霊)」の名にこそふさわしい

プラットフォームは、ガソリンエンジン車でも用いられている、オールアルミ製のスペースフレーム・アーキテクチャー「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用。しかし、電気駆動を見据えた設計がなされていたことや、バッテリーを車両構造と一体化させることで車体の剛性は従来比30%アップを実現している。さらに、二次機能としてバッテリーによる遮音効果が生まれたことで、ただでさえ静かな電気自動車としての静粛性が高められている。

画像: 珍しい前開き式のドア。内側にLEDの装飾が施された「スターライト・ドア」が初採用されている。

珍しい前開き式のドア。内側にLEDの装飾が施された「スターライト・ドア」が初採用されている。

また、新しいコンピュータ制御システムにより4輪それぞれを独立してコントロールし、地面からの振動を抑える「プラナー・サスペンション」に加えて、コーナーを自動で検知する四輪操舵システムを組み合わせることで、ロールス・ロイスの特徴である「マジック・カーペット・ライド」をより高い水準で提供することに成功している。

こうした、数々の新機構によって武装された「スペクター」は、ロールス・ロイスの共同創業者である故チャールズ・ロールズ氏が1900年に述べた「電気自動車は完璧なまでに静かでクリーンです。匂いもせず、振動もありません。 充電ステーション整備とともに、非常に便利な乗り物になるはずです。」という予言を、完全に実現させるモデルである。

ロールス・ロイスが幽霊にちなんだ命名をしているのは、1907年にデモカーとして製造したシャシ番号60551の車両が、銀メッキされたアルミペイントが施され、幽霊のように静かであるということを強調するために付けられた愛称に由来している。それを思えば、120年の時を超えて創業者の理想が実現された今、「スペクター」=「亡霊」の名を冠していることが、ほかのどのクルマよりもふさわしいではないだろうか。

ちなみに、2023年(来年)の9~12月に納車開始予定となっているが、スペックに関してはさらに向上させるために調整中であり、価格もカリナン(4258万円)とファントム(6050万円)の間に位置する予定としか判明していない。

画像: 「イルミネーテッド・フェイシア」は、乗る人の雰囲気を高めてくれる。

「イルミネーテッド・フェイシア」は、乗る人の雰囲気を高めてくれる。

■ロールス・ロイス スペクター 主要諸元(予定)

●全長×全幅×全高:5453×2080×1559mm
●ホイールベース:3210mm
●車両重量:2975kg
●モーター最高出力:430kW
●モーター最大トルク:900Nm
●WLTPモード航続距離:約520km
●駆動方式:不明
●最高速度:不明
●0→100km/h加速:4.5秒
●車両価格:「カリナン(4258万円)からファントム(6050万円)の間」を予定

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