ベントレーの「ウェルビーイング」を実際に体験するため、フライングスパーで北海道を中心にロングドライブした。総移動距離1600kmを超える今回のグランドツーリングでハンドルを握った佐藤久実氏はなにを感じたのだろうか。(Motor Magazine2022年11月号より)

青森から750kmを走破してウェルビーイングを実感した

フライングスパーは、ドライブモードにコンフォート/B/スポーツを備える。デフォルトがBなので、これで走ることが多いが、それはコンフォートとスポーツの間だからノーマルモードとして。状況に応じて自動的に制御を変えてくれるし。でも、グランドツーリングをしていて改めて思ったのは、モードはややスポーツよりの設定になっているということ。

画像: [ 洞爺湖 ] 周囲約50kmのカルデラ湖。温泉や2008年に開催されたG8洞爺湖サミットなどで有名。夕陽に照られされたフライングスパーのシルエットは美しい。

[ 洞爺湖 ]
周囲約50kmのカルデラ湖。温泉や2008年に開催されたG8洞爺湖サミットなどで有名。夕陽に照られされたフライングスパーのシルエットは美しい。

ドライバーは楽しいが、シーンによっては同乗者はコンフォートの方が快適かもしれない。ベントレーが推奨するのがBモード。つまり、フライングスパーはドライバーズカーでありスポーツサルーンだということを再認識した。

鰊御殿で美味しいおそばのランチ後は、城岱牧場展望台へ。気温20度と涼しく、眺望も良く、何よりワインディングロードの走りが気持ち良い。パーキングの際にはちょっと持て余す感のある巨体だが、走っているときはまったく気にならない。

街乗りでも感じていたが、ワインディングロードでさらに実感した。可変ホイールベースでも備えているのかと思う様なハンドリングだ。このクルマもさまざまな電子制御を備えるが、制御感はあっても違和感はなく、ドライバーにやさしく寄り添い、おだててくれるような感覚なのが嬉しい。ハンドルを握る特権で、ここではもちろんスポーツモードを堪能しつつ、函館へと向かった。2日目は約320km走ったが、やはり慌ただしさはなかった。

今回のテーマは「北海道グランドツーリング」なので、ストーリーとしてはここでお終い、なのだが、最近ベントレーが提唱する「ウェルビーイング」を本当に実感したのは最終日の移動だった。

早朝、フェリーで函館港から青森港まで移動し、そこから自走で約750km/9時間を走破した。北海道でゆったりした分、最終日に皺寄せが・・・。やっぱり世の中そんなに甘くない、と思っていたが、これがまったく苦でなかった。しかも、ずっとシートに備わるマッサージをしながらなので、むしろ癒される感じ。

さすがに後半、編集長に運転を代わってもらい、リアシートに座らせてもらった。こんな機会、滅多にないし。サルーンらしくリアシートも極上の居心地の良さだった。「ヘッドレストのレストは休憩ではなく拘束装置の意味です」って、ドライビングスクールで良く言ってるけど、フカフカのクッションの付いたフライングスパーのヘッドレストは、まるで枕(笑)。

フライングスパーは、どのシートに座っても、ストレスフリーなドライブを楽しめる素敵なグランドツアラーだと身をもって実感した。(文:佐藤久実/写真:永元秀和)

ベントレー フライングスパーV8主要諸元

●全長×全幅×全高:5325×1990×1490mm
●ホイールベース:3194mm
●車両重量:2480kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:404kW(550ps)/6000rpm
●最大トルク:770Nm/2000-4500rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:4WDR
●燃料・タンク容量:プレミアム・90L
●WLTPモード燃費:7.9km/L
●タイヤサイズ:前262/45R20、後295/40R20
●車両価格(税込):2430万0000円

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