2022年11月9日(スウェーデン・現地時間)、ボルボ・カーズは同社のフラッグシップとなる新型「EX90」を発表。先進の技術満載の電動7人乗りSUVだ。

ソフトウェアがメインディッシュのBEVだ

「2030年までにすべての販売車を電動化する! そのために毎年1台ずつ新たな電気自動車を発表する」と、2017年に宣言したボルボ。その意志にゆらぎはなく、このたび先進の技術がふんだんに盛り込まれた電動SUV「EX90」が、ボルボの母国スウェーデンでデビューを飾った。

画像: ソフトウェアが主役となる「EX90」だけに、フォルムはクリーンかつスマートだ。

ソフトウェアが主役となる「EX90」だけに、フォルムはクリーンかつスマートだ。

ボルボCEOのジム・ローワンは発表にあたり、次のように抱負を語っている。

「ボルボEX90は、私たちが今いる場所と、これから向かう場所を示しています。1回の充電で最大600kmの航続距離を実現する電気自動車であり、当社の安全基準をさらに高めるよう設計され、ソフトウェアによって真に定義される最初のボルボ車であり、お客様の自宅やその他のデバイスに接続する、より広いエコシステムの一部でもあります。ボルボEX90は、様々な意味でボルボ・カーズにとって新しいことの始まりなのです」

フラッグシップモデルに位置づけられる7人乗りの電動SUV「EX90」のデザインは、スカンジナビアンデザインの新しいインスタントクラシックがコンセプトとなる。平たく言えば、機能が形をつくるというものだそうだ。

その原則にのっとり、多用途でスタイリッシュなファミリーカーであるとともに、現代的なプロポーションと、コアコンピューティング、コネクティビティ、電動化などの最先端技術との組み合わせで、安全性、効率、デザインの最適化が図られている。

自動運転を見すえた高度な安全システムを導入

「EX90」の一番の注目ポイントは、双方向充電に必要なハードウェアをすべて搭載したボルボ初のクルマということだ。これは、クルマのバッテリーを、自宅や他の電気機器、あるいは別のボルボの電気自動車への電力供給など、追加のエネルギー源として利用するための技術で、将来的には一部の市場から双方向充電を利用できるようになるそうだ。

画像: 車内では、特殊なセンサーとカメラとでドライバーの状態を監視。運転に支障が生じそうなときは警告を発してくれる。

車内では、特殊なセンサーとカメラとでドライバーの状態を監視。運転に支障が生じそうなときは警告を発してくれる。

安全性も格段の進化を見せている。カメラ、レーダー、LiDAR(ライダー)などの最新センサーが車の高性能コアコンピュータに接続され、AI用のNVIDIA DRIVEを介してリアルタイムに360度ビューを作り出してくれるところがポイントだ。

特にLiDARは、昼も夜も、高速道路でも、目の前の道路を検知することができるとともに、数百メートル先の小さな物体も捉えることができる。そして、これらの先進のセンサーは、ドライバーのアクション動きがほんの少し遅れただけで危険を察知し反応するため、車線変更時の新しいステアリングサポートなど、運転支援機能パイロットアシストの信頼性と全体的な性能の向上にも寄与しているという。

車内では、独自に開発したアルゴリズムによる特殊なセンサーとカメラとがドライバーを見守る。視線の集中度を測定することで、注意力散漫や眠気などの状態を把握し警告してくれるのだ。しかも、最初はやさしく徐々に強く。

ちなみに、LiDARを含む最新鋭のセンサーを搭載することで、「EX90」は将来の自動運転に対応するハードウェアを備えた最初のボルボ車となった。

こうした安全システムは、NVIDIA DRIVEプラットフォームXavierとOrin、クアルコム・テクノロジーズのSnapdragon Cockpit Platforms、そして、ボルボのエンジニアによる自社開発ソフトウェアを搭載したコアシステムで制御されるが、それはインフォテインメントからバッテリー管理まで及ぶ。

つまり、「EX90」は単なるBEV(電気自動車)ではなく、車輪の上に乗った高度なコンピュータなのだ。スマートフォンやノートパソコンと同じように、定期的な無線ソフトウェアアップデートも行われる。

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